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人間が嫌いな未成年。 たまに2次創作3次創作を打ちます。 完全オリジナルも打つ時もあります。 このブログを見た貴方と縁があること祈って・・・。
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ルークで懲りないのが私。

さあ行ってみようか!

主人公 リオン
ヒロイン 名前なし

追記マリアンは好きです。
リオンは都合でキャラがたまに変わるかもしれないです。


夕方になって外が冷えてきた。
僕はカップに残っている紅茶を一気に飲み干して食堂に向かった。

そこに居たのはまだ夕食の準備が整っていなくて忙しそうに用意しているメイドたちだった。
その中にひと際忙しそうに指示をこなし、汗をハンカチで上品に拭うマリアンの姿が有った。
僕は声をかけようか考えた後、紅茶のお代わりだけを頼んで部屋に戻った。

少ししたらマリアンが紅茶とお茶菓子を持ってきてくれた。
夕食の前なのでお菓子は遠慮し、紅茶を飲み込む。

「ごめんなさいね、エミリオ慌ただしくて・・・。紅茶のお代わりくらい私が行ったのに。」
「早く飲みたかったんだ、冷めてしまっていたからね。」
「そう・・・ならいいのだけれど。」
「新しい奴の教育は大変だな。」
「とてもいい子よ、貴方にも紹介したいわ、年齢も近いのよ。」
「ああ。」

マリアンは他のメイドに呼ばれてまた慌ただしく部屋をでていってしまった。
僕はさっきまでしおりを挟んでいた本を開けた。
何度も読み直したマリアンの進める恋愛小説はこれで10回目だ。
内容は身分差のある2人が大恋愛を通して、結婚してハッピーエンドで終わる話だ。

正直内容は何度読み直しても納得が行かない。
僕がもしこの主人公ならヒロインを連れて駆け落ちなどしないだろう。

僕が好きな人は今も昔も変わりはしない、マリアン一人だからだ。
身長差は埋まっても、年齢差はどうあがいても埋まらない。
彼女は何時も僕のことを弟としてしか見ていない。

埋められないなら絶えないこの幸せまで引き裂きたくない。

そんなことを考えながら本を読んでいくと僕の一番嫌いなシーンが出てきた。
ヒロインとは違う初恋の女性とヒロインのどちらかを選ぶシーンだ。
主人公は悩んだ末にヒロインを選ぶのだが、僕は何時もそのシーンを読み飛ばしていた。

馬鹿馬鹿しい。本当に好きな人なら悩む必要などどこにあるんだ。

「リオン様、お夕食の準備が出来ました。」
「今行く。」

僕は本を閉じてドアを開けた。
ドン。
何かに当たる音がした。何か当たってドアが完璧に開かないので押してみることにした。
すると、床に新しいメイドが倒れていた。

「・・・・・。」

メイドは立ち上がって僕に謝罪してきた。

「すいません!広くて…迷っちゃって・・・。」
「・・・そうか。」

僕は返答に困って取り合えず肯定しておいた。

「はい・・・。」

メイドが苦笑して僕の返答を待っているようだが、何を言ったらいいのかまるで分からない。

「・・・。」
「・・・。」
「・・・食堂はこっちだ・・・。」

取り合えず迷っているならゴールに連れていくのが早いだろう。
僕は少し後ろに居るメイドを連れて食堂に向かった。

「初日か・・・?」
「はい、よろしくお願いします。リオン様。」

マリアンが言っていた新米のメイドだろう。
見た目から見て15~16歳。マリアンが初めてここに来た時もそんな年齢だった気がする。

食堂は部屋からそんなに離れていないので、今度からは間違えないだろう。


「ここが食堂だ。」
「ありがとうございます。ご足労かけてしまって申し訳ありません。」
「いや、どうせ来る予定だったんだ。それより・・・。」
「は・・・はい。」
「お前は正直過ぎるな、迷うならどうせ部屋から出てくる僕の後ろを付いて来たら良かったんだ。」
「あ・・・。」

間抜けなその顔に思わず僕は噴き出してしまった。
成程マリアンが良い子と言ったのはこういう意味か、メイドは顔を赤く染めてすいませんとまた謝ってくる。
まさか謝られるとは思わなくてまた、可笑しくなる。

「・・・すいません。」
「何で謝るんだ・・・。」
「リオン様が笑うからです・・・。」
「そうだな。」

自分よりも年下で背も低いメイドはなぜか妹のように見えた。
今まで年上に囲まれて生活してきた所為か、年下と言うのは変に新鮮感が有る。

メイドはこれでと、僕から離れて言ってしまった。
僕はそれを見送った後、食堂のドアを開けた。

中では広い食堂の中で一人分の食事だけポツンとおかれていた。

マリアンが水を持って僕のグラスの中にそそぎいれるのを見てから、僕は食事を始めた。

最後のデザートを食べ終えると満足そうにマリアンが笑った後。
僕も頬笑み返した。

「私が作った料理美味しかった?」
「すごいよ、マリアンコック顔負けだよ。」
「そのデザートは新しい子が作ったのよ。」
「・・・。」
「どうしたの?」
「さっき会ったんだ、迷ったとか言ってたな・・・。」
「あら、可愛いところもあるのね。」
「?」
「あの子良い子なんだけどね、ちょっとクールなのよ。」
「そうなのか?」
「しかも言いたいこと言う子よ。」

それは女なのだろうか。
そこから考えてしまう、マリアンが何度も良い子なのよとフォローするが、僕の中で印象が決まった。

「マリアンさん・・。」
「あら?どうしたの?」
「これどこにしまえば良いんでしょうか・・・。」
「ああこれは、リオン様それでは」
「ああ。」

そういってマリアンは出ていってしまった。
メイドがこちらを見て苦笑したので、僕は少し笑ってやった。

食堂を出て僕は部屋に戻った。
しばらくするとまた、あのメイドがやって来た。
紅茶を持ってきたらしい。

「リオン様・・・デザートはどうでしたか?」
「・・・何故僕に聞くんだ?」
「リオン様の口にあったかと思って・・・。」
「そうだな、明日はプリンにでもしてくれ。」
「かしこまりました。」

僕がそう答えるとメイドが出て行こうと部屋のドアを開けた。
僕はメイドの名前を聞こうとメイドを止める。

「はい?」
「お前名前は?」
「・・・・・・・私の名前は・・・。」

その時ノックが響く、メイドは紅茶を置いて、部屋を出ていった。
僕はドアの向こうに居る人物に目を向けた、そこに居たのはマリアンだ。

「ごめんなさい、お邪魔だったかしら。」
「あいつが勝手に来たんだ。」
「紅茶を持って?」
「ああ。」

そして名前も分からないメイドとの関係は始まった。
メイドは僕の本名をしらないし、僕もアイツの名前を知らない。

変な関係な僕らは意外にも仲良くなっていった。

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