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「良いか。兄ちゃんはお前が大切だから言ってるんだぞ。」
「だから日本を離れることは考えれないって言ってんだよ。」
「・・・兄ちゃんはお前がいないと悲しみのあまり、世界中にお前の写真をまき散らすかも知れないんだぞ。」
「したら名誉棄損で訴えてやる。」
「どんなにかわいげのない妹でもだな。家族は一緒にいるべきだと思うんだ。」
「だからっていきなりアルゼンチンはないでしょ。英語もわかんねーての。」
「大丈夫だ。世界を歩き回ってる兄ちゃんにかかれば3年あれば英語を習得させることが・・・。」
「三年もいたらどんな馬鹿でも分かるようになるっての!」
「・・・アルゼンチンはスペイン語だぞ。大丈夫だ。10年もいればどちらも会得することが・・!!」
「だからあああ!!」
私は自分の兄に向けている拳を黙って元の定位置に戻してソファーから立ちあがった。
「大体7年近く私のこと放ったらかしにしておいて今更図々しい!そうお母さんに言っといて!」
「だから兄ちゃんがこうやって迎えに来ただろう?」
「馬鹿にすんなよオオ!!そんなに来させたいならお母さんがこっちにくれば良いじゃない!」
「母さんはだな・・・仕事が忙しくてだな・・・。」
「そうだよね!正月に盆休み。一度も顔を見せなかったくらいだし、やっと見せたと思ったらリオン君にアッシュ君が高校に入る手続きしたときくらい。」
「兄ちゃんはお前のことが心配で・・!!」
「お兄ちゃんも来なかったでしょ!普段隣町でお父さんと暮らしてるくせに!」
「兄ちゃんが一人でここまで来れると思ってるのか・・・?」
「威張るな!馬鹿!!」
「兄ちゃんは9割はニューヨークにいるんだ。この間は不良に絡まれて500ドル払ったんだからな。」
「そんなのどうでもいいし。お正月くらい。顔見せろって言ってんの!!」
「お前、そんなにアルゼンチンに行きたくないのか?なんで。」
「英語が話せないから!しかも外国なんて行ったことないし。」
「なるほどな。まぁそれぐらいなら予想の範囲内だ。家族がみんなで暮らせるなら安い安い。」
「え・・・?」
「おまえに付きっきりのメイドか執事を雇えばいい。表向きは同年代の友達ってことにして、日本語が話せる秀才でも雇えばいいだろうし。そんな生活の中で言語も分かるようになるだろうしな。」
「あ・・・いや。そんなに急に・・・。」
「何かリクエストあるか?まぁ向こうはルックスが良くて日本語が分かる学生なんて限られてるだろうけど・・・あ。そうだお母さんの友達に日本語が分かって頭もよくて性格もそれなりに良い奴がいたな。年もそんなに変わらないはずだし・・・。」
「ちょ・・・ちょっと待て!私は行かないぞ!!アルゼンチンなんて!マルコじゃあるまいし。」
「ははは。母を訪ねて三千里ってか?言っとくがすむのはアルゼンチンじゃないぞ。」
「は?だってさっきまでスペイン語だの・・・何だの・・・。」
「カナダだよ。」
「は?え?ああ?」
「良かったな。スペイン語プラスフランス語ができるようになるかもしれないぞ。」
「え・・・?え・??」
「母さんがお前にも仕事を手伝って欲しいんだってさ。」
「は?」