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ってわけで便乗します。
これ、きちんと書いたら結構面白いような気がする。
ってなわけで、もしかしたら時々変わってるかもです。
日本は小さな国だと思う。
何でも規則規則と言って人を縛りつけようとする。
気持ち悪いとか変態とか言って人を差別して自分を正当化させてでしか自分を守るすべを持たないのだから。
俺がちょっとセーラームーンのスカートの中を気にしたくらいで人はみんな俺を白い目で見る。
二次元だとか三次元だとか、そんな言葉を使って平面世界の住人を分けて考えて何が楽しいのだろうか?
俺は正直そんな奴らの方が気持ち悪く仕方ない。
目の前でAKD44位でキャーキャー言ってる男どもが可哀想に見える程俺は日々の生活に満足していた。
毎日、オタクとか腐男子とか言って俺を遠ざけていた女子が俺の部屋にはいつもちょこっと座っている毎日「おはよう」と言ってくれて「料理ヘタでごめん」とか言いつつも朝早い俺の為にご飯を作ってくれる。
今日も俺はそんな健気な彼女に会うためにパソコンの電源を入れるのだ。
音量、音質、画質とともにチェックは欠かせない。
ハードディスクの空きがないなら、いらないデータを全て削除してしまう。
「おはよう!涼太君。今日も早いね。今日はいつかえってくるの?」
パソコンの中の彼女は顔を赤くして大きな笑顔を俺に振りまいている。
寝ぐせだらけの俺の顔は正直女子と離す格好では無い。が、彼女はそんなことは気にせずに今日もたまご焼きを真っ黒に作ってくれたようだ。
ちなみに俺は携帯会社に勤めている。
新しい携帯の機能を考えたり、デザインを考えたり。結構忙しい。
だから朝、6時に家を出た所で帰ってくるのは12時を超えてしまう。出てきたメニューの一番下の項目をチェックした。
「そうなんだ・・・今日も遅くなるんだね・・・あ、でも今日は早く帰ってきてよ!今日は・・・その・・・大事な日だから。」
人に話せば馬鹿にされる様な事でも彼女は笑って誤魔化してくれる。
俺の事が好きだって言ってくれる。
俺はパソコンを閉じた。
例え声優の声でも俺には大切な彼女だ今日の凜華の誕生日には彼女の好きなプリンを一緒に食べよう。
俺は着替えを済ませて、外面を作り上げた。
バリバリの営業マンそれが俺の外面だ。紙にでも書いた様なきちっとしたスーツ。
厳しくも優しさを忘れない完璧な上司として俺は明日28の誕生日を迎える。
電車の中で揺れるちょっとボインな女性の胸に目を落とした。
年は23~25と言うところだろうか?俺と目が合ったくらいで顔を真っ赤にしてしまうほど最近にしては新鮮な反応に俺は胸が高鳴った。
とはいっても、名前も知らない女性と仲良くなれるわけもなく、せめてそのボインを眺めておこうと俺は谷間に目を通した。
揺れる満員電車の中では人がぎゅうぎゅうに詰め込まれていて、俺はいつもタバコ臭さに吐きそうになっていた。
それでなくてもハゲ頭のおっさんの加齢臭は俺にコロンの使用を勧めてくれる。
俺は手すりに手を伸ばして身体をしっかり支えていた。もしも女性が電車で倒れたとしても格好よく助けれるためだ。
いつものポイントで電車は大きくカーブを描く。
ちょっとボインのおねいちゃんが自分に倒れかかってくる。俺の頭の中で瞬時にその柔らかさを覚えておくために俺は思考を停止した。
俺の目にはもうボインの谷間しか見えなくなっていた。後ちょっとでその柔らかさを実感できると思った瞬間、ボインの手が俺の胸を触った。
自分を支えるために俺の胸を借りた様な形になって俺の小さな野望は叶うこともなく崩れ去った。
彼女は乱れた髪を手で直して俺の方を向いてはみかんだ。
真っ赤になっている頬に真っ赤に染まった耳。余程恥ずかしかったのだろう。
だが、そんなに真っ赤な顔をされると俺まで恥ずかしくなってしまう。
つられて俺も赤くなってしまったところで彼女の異変に気がついた。
あの綺麗な胸に一筋の汗が光り、彼女の童顔で丸く大きい瞳が歪んでる。
痴漢だ。
俺はそう直感で感じた。
ちょっと乱れたかおで赤面している彼女に俺はちょっと意識してしまう。
彼女の戸息だけでも俺の耳元で吐いてほしいと感じてしまったが、残念ながらそれに混じる息は妄想など儚いものだなと俺はため息をついた。
俺は彼女のスカートに手を突っ込んでいる加齢臭のキツイいかにも娘からはぶられていそうなハゲ親父の手を思いっきり掴んだ。
俺の青春を返せと心の中で強く強く呪いながら、そのハゲの手を頭上に掲げた。
「このオッサン痴漢してるぞ!!」
俺は連呼した。
ちょっとボインな彼女を俺の後ろに隠して左手で俺はオッサンの胸倉をつかんだ。
中肉中背のオッサンはよく見れば、俺の上司だった。
俺の顔に緊張が走った、次第に顔は真っ青になるが、今更引けるわけもなく。
「吉原専務・・・何してるんですか?」
「・・・中川君、・・・か・・会社には黙っておいてくれないか・・・?」
この人、最近リストラ候補に挙がっているって会社内じゃ有名だった。
電車での痴漢行為もよく考えれば女性社員に対してセクハラ上司として有名な専務ならありえない話では無い。
「・・・。」
「な・・・あ・・・後で電話する・・・。」
「・・・。」
専務の額には脂汗がにじんでいた。
俺はそんな専務に対して同情した、もちろん痴漢は犯罪だ、だが、家族に相手にされず果てには会社にまでにも見放されそうになっている。
俺は専務の手を離した。
もちろんこのままというわけにはいかない、専務は黙って次の駅で電車を降りた。
その目には後悔がにじみ出ていた。
思えば専務程会社に貢献した人も珍しい。
何時からあの人はココまで落ちぶれてしまったのだろうか?
犯罪に一瞬の至福の為にココまで自らの手を汚すようになってしまったのだろうか。
俺はこころに誓った
あ ん な 大 人 に は な ら な い 。
ボインの子は黙ってそこに立っているだけで、人の視線に耐えられないと涙を流していた。
次の駅に着くと飛び出すように電車を飛び出して行ってしまった。
その駅が到着地点なのか、それとも人の視線に耐えられなくなって出て行ってしまったのだろうか。
俺は視線を電車につり下がっている広告に目を向けた、でも次の駅で降りた。
俺の降りなければいけない駅は乗り換えても後30分は乗っていなければ行けなかったのに。
財布の奥に入っていた500円玉を自販機に入れて、俺はコーヒーを選択した。
「涼太さん・・・ですよね?」
「・・・え・・・」
さっきのボインの子だった。
やっぱり童顔で可愛い子だった。しかもいまどき純情そうな子だった。
「会社の子?」
「はい、昨日から受付けしてます。城鏡 凜華です。(じょうかがみ りんか)」
「ゴメン、俺覚えてない。」
「私は知ってますよ?中川 涼太さん。」
澄んだ声で俺の鼻をツンと人差指で突いた。
女の子にそんなことされたことなくて、俺は思わず固まってしまった。
彼女はそれに気が付いて半歩離れて顔を赤く染めた。
「あ・・・ゴメンなさい。・・・嫌でしたか・・・?」
「・・・いや・・・ビックリした。」
「昨日会ったんですよ一応。涼太さん気が付いてなかったみたいだけど・・・。」
「そうなんだ・・・。」
なんだろう、この子初めて会った気がしない。
彼女の言うとおり昨日会ってるからかもしれない、だけどちょっと期待してもいいのかな。
「さっきは、・・・ありがとうございました。涼太さん格好良かったです。」
「・・・大丈夫だった?」
「え・・・はい。・・・本当は気が付いてたんです。・・・専務だって。」
「・・・今更言ってもいいわけにしかならないぞ。」
「そ・・・そうですね。」
「・・・・・・・・・・・・真っ赤。」
俺は持っていたコーヒーを彼女にわたした。
買ったのはホットだったけど、寒いこの時期でよかったのかもしれない。
さすがに映画の主役の様に彼女の目にコーヒーを付けてやることは恥ずかしくて無理だけど、俺は差し詰め脇役の行動位は出来た気がした。
「え・・・。」
「あげる、それで目何とかしたら?」
「・・・あ・・・ありがとうございます。」
早く電車が来ないかなと俺はイスに座って電車を待った。
彼女もちょこんと俺の隣に座って携帯を触っている。
専務は今日は会社来ないかもしれないなと俺はふと思った。
「・・ですね。」
彼女が携帯を閉じて俺の方を向いた。
「え?なんて?」
「あ、・・・えっと・・・。昨日お昼食べに行ったんですけど、その時に涼太さんの話になったんです。その時に涼太さんとは結婚したくないってみんな言ってたんです。」
俺は軽くショックを受けた。
「・・・その噂ってみんな俺の事なんて言ってるの?」
「人に厳しくて、それで失敗を許さないって。鬼みたいな人だって言ってました。」
「・・・フーン。」
そんなに厳しくしているつもりないのに、人に辛くあたってしまっているのだろうか?
「でも・・・噂って役に立たないですね。」
俺は耳を疑った。
「だって、こんなに可愛い人なんて知らなかったですもん。」
彼女がおでこを俺のおでこに付けてくる。
この体制じゃあ、顔を少し動かすだけで唇と唇が付いてしまいそうだ。
付けてしまうか?自分の事を馬鹿にしている彼女に気が付いてもらおうか、俺が男だって。
丁度周りには人は居ないし、どうせこんなチャンスないし。
彼女のさらさらした、髪を一房なでた。
そのまま手を後頭部にもっていくと彼女の肩が軽く揺れた。
じっと見つめると、彼女はとてもさっきおでこを付けてきた女性には見えなかった。
「あ、・・・やだ、変な意味じゃないですよ?す・・・すいません、・・・涼太さん・・・。」
顔をそらして手で俺から離れようとするが、俺は構わずに言った。
「目、つぶって。」
その声に従って彼女は覚悟を決めたのかギュッと目をつぶった。
唇に力を入れて、肩まで震わせて。
俺は右手で彼女の唇に軽く触れた。
それだけで彼女は肩を大きく揺らした、こんな反応してくれるなんて思ってなかった。
カシャ
携帯の電子的な音が聞こえてきて彼女は驚いたのか、目を開けた。
「やっぱブルーレイだな。画質がきれい。」
「は・・・?え・・・?」
「俺が開発した0.3秒で撮れる携帯内臓カメラ。ちなみに連続撮影可能。使い方はすごく簡単。ボタンを押して被写体を決めてポチっと押すだけ。」
俺はもう一度カシャと音を鳴らした。
「使い方によれば一眼レフ並の映像が撮れる。良かったよ今日までに何枚か撮って置こうと思ってたし。君の顔やっぱり真っ赤だな。」
「え・・・!?」
「電車きた、おいていくぞ。」
「は・・・はい。」
さっきよりも空いている電車の中は座る席があるほどだった。
俺は彼女と一緒に席に座った。・・・さっきは本当に危なかった。
結構真剣だった自分にも驚きだ、そりゃこの年になればキスの一つや二つ珍しい事じゃない。
だけど、真剣に人を好きになったことなんて中学の時の初恋位だ。
それぐらい、大概の女性は俺の外面が外れた瞬間離れていく。
そんなことが続けば、俺だって人間不信に位になる。
「涼太さんってモテそうですよね。」
「さっき、噂で結婚はしたくないって言われて居たんだろう?」
「私・・そんなこと言いました?」
「言ったよ。」
「え~・・・言ってませんよ~・・・。」
よく言うよ。
喉まで出かかった声を飲みこんだ、何を言っても誤魔化されそうだ。
時間とは残酷なもので結局この日。専務が姿を現す事はなかった。
俺は特に誰かに口外することもなく、いつも通りの仕事を全うした。
仕事が終わって会社を出たのが、夜の10時を超えていたので駅の売店はとっくにしまってしまっていた。
結局俺は近くのコンビ二でプリンを二つ購入して家に帰った。
家に帰るとパソコンの電気が付いているのに気がついた。
どうやら切り忘れていたらしい、別に珍しい事では無いが、今日は消した記憶があるだけに気持ち悪かった。
「ウイルスか・・・?」
だが、それらしいデータも異変もなく、変わっていた点と言えばハードディスクの量が増えている位だった。
「あ、お帰り。」
それでも、パソコンの中の少女は変わらずにこりと大きく笑い、愛らしく頬を赤に染めていた。
「今日は、早く帰ってきてって言ったのに・・・寂しかったんだよ?誕生日に一人なんて・・・。涼太君の事嫌いになっちゃうよ・・・。」
寂しそうにパソコンの中の少女は瞳を潤ませた。
「今日ね、痴漢にあったんだよ、でも涼太君助けてくれたよね!」
そんなシステムあったんだなと俺は関心した。
最近のギャルゲーは芸が細かいなと、俺は買ってきたプリンを並べた。
「涼太君・・・あの・・さあの時の・・・って本気だった・・・?」
一度に出てきたメニューに俺は一番・・・多分ハードな答えを選択した。
「ち・・・違うよ・・・。涼太君のエッチ・・。」
顔を赤くして視線をずらして彼女は赤面した。
俺は、そんな光景をちょっと違った視点から見て興奮した。
「あの時の・・・その・・・チューだよ・・・。」
出てきたメニューを選ぶのも億劫に成程俺は興奮していた。
しかし、ココで機嫌を損ねると今まで積んできた好感度を下げることになりかねない。
そう思って俺は思春期の男子の様な返答をクリックした。
「・・・は・・・恥ずかしいから口に出さないでよ・・・バカ・・。」
表情は変わらないまま、大きな瞳だけをこちらに向けた。
「で・・・でも明日なら良いよ・・・その・・・チュー。だって・・明日は涼太君の誕生日でしょう?」
キタこれ!!
俺はプリンにろうそくを立てた。火を灯した。
それを12時と共に俺は消した。
「涼太君・・・明日は一緒に帰ろうね・・・・。お誕生日おめでとう。好きだよ。」
俺はパソコンの電源を消した。
今度はきちんと確認して、お腹の中でさっきのプリンが出て行きそうなのを我慢してシャワーに浴びてベットに入った。
目を閉じて、布団の中に入ればすぐに寝てしまうのはそれ程に今日は疲れてしまったのだろう。