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人間が嫌いな未成年。 たまに2次創作3次創作を打ちます。 完全オリジナルも打つ時もあります。 このブログを見た貴方と縁があること祈って・・・。
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どこかで声がする。

意識が朦朧とする中、思い切って振り向くと和服に身を包んだ13,4かと思うころの可憐な少女。

辺りは廃墟。このあたりに子供が入り込む隙間なんてあっただろうか?
廃墟と比べて申し訳ないほど高価な着物に体には不釣り合いな機関銃。

その道のプロが見たら失神するかもしれない。
頭にはガスマスクなどを乗せてまるで兵士の様な少女を僕は口をぽかんとあけて見ていた。

何か話さないか。

この少女を説明してくれるような一言があったなら僕はこの痛みすらも消えてしまうだろう。

えぐり取られたと思われる臓物が僕の目の隅の方で赤黒く変色しているのを見た。
僕はもう長くないと僕自身の臓物が語る。

少女が可憐な姿からは想像できない笑みを見せる。

この子に殺されるのなら僕はこの戦場のことを全て忘れて楽になれる気がした。
僕は身勝手な願いを13,4の少女にぶつけた。

「生きたい。」

それは言葉にもなっていない音だった。それでも少女は満足げに機関銃を僕に構えた。

その記憶はここで途切れている

すたれた街のすたれた家の中では、僕の葬式と泣き喚く醜い女たちと難しい顔をした男たちが、僕を囲んで花を手向ける。
一人が遅れてきた、何が起きているのか理解できないらしい。
近くにいた13、4になる高貴な着物に身を包んだ可憐な少女は、ガスマスクなどを頭になどに乗せて、体とは不釣り合いな機関銃持ち、不思議な表情で笑いこう言った。

「お亡くなりになられたようですよ。」

僕は廃れた街の廃れた家の窓で立ちすくんで一言つぶやいた。

「僕は誰だ?」

また少女が不思議な笑みを浮かべ僕の方を向いて答えた。

「ああ、今お亡くなりになられたようです。」

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