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前回のはけしておくんだぜ。
今思ったら手紙どうやって送ったんだろう。
ここは住宅街から離れた今は使われていない教会だ。
蜘蛛の巣やら、色ガラスは粉々で教会と言うよりも廃墟と言った方が正しいかもしれない。
そこに現れたのはローザと名乗る23歳独身(多分)の女性だった。
悪い人じゃなさそうだったので姫様を預かってもらうことになった。
そして私はやっと見つけた紙と(聖書の切れはし)ペンを使って手紙を書いていた。
「よく見えないが、多分これで良い筈だ・・・。」
これから行くところはバイルシュミット家だ。
あそこの御隠居は姫様を大切にしてくれていた。もしかしたら今回のことも助け舟を出してくれるかもしれない。
手紙を自作の封筒に入れ、封を閉めた。
ここから歩いて約2日と言うところだろうか・・・。
馬か馬車が使えても半日はかかる距離にバイルシュミット家はある。
あそこの地域は戦場とは距離が近かったから今も負傷者面倒を見ているとか。
馬車が使えたら一番楽なのだが、戦場と近い分騎士の顔は知れており。
ヘタに見つかっては姫様も危なくなってしまう。
「馬を拝借するか・・・。」
言い方はずい分まるく言っているが要するに
盗みである。
「私が盗みなんて・・・・懐かしいですね。」
教会の外では冷たい風が吹いていた。
空は深いに青に包まれ月が赤く不気味に光って居た。
「・・・・・・・・・・・・・。」
ローズはベットに自愛姫を寝かせて汗をぬぐった。
乾いている唇に湿らせたタオルを当て、水分補給を狙うがやはり起きる気配は無い。
青白い顔色に赤い唇。
長くないことは医療にたしなんでいないローザにも分かった。
せめてこの近くに医者が居たら連れてくるのだが、住宅街では戦火の痕が今も痛々しく残っている。
最後の医者は2週間前に逃げてしまった。
どうして私達は戦う必要があるのだろう。
疑問に思っていてもやはり答えは出ない、綺麗な金髪に手を通してローザは思った。
”こんなに幼い子まで巻き込まれて死んでいく”
ローザは無力感に囚われない様に部屋をでた。
朝になり自愛姫がかすかにだが目を開けた。
ローザは起きた瞬間に水を飲まし、ゆっくり眠るように促した。
乾いた唇が少し潤い自愛姫はもう一度眠りについた。
「シルヴァーノさん・・・早く来ないかな・・・。折角妹さん起きたのに・・・。」
少しうとうとしながらローザは目をこすった。