人間が嫌いな未成年。
たまに2次創作3次創作を打ちます。
完全オリジナルも打つ時もあります。
このブログを見た貴方と縁があること祈って・・・。
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時は時として
人は人として
太陽は太陽として
人魚は人魚ではなく
怪物として
太陽が昇り始め騎士は重いからだに鞭を打って身体を起こした。
身体が重く頭も痛い、寝不足と言うのは言うまでもなく、またベットや食料もろくに無いこの教会で不調を訴えない方がおかしい。
騎士は昨日汲んでおいた水で顔を洗った。
今日はローズの所に行ってもう少し姫様を預かってもらい、そのあとバイルシュミット家へ向かう。
ローザなら預かったくれるだろう、断られたら姫様をおぶっていくしかない。
騎士は持っていたタオルで顔を拭いた。
疲れていたように思っていたが、歩き始めてみると不思議と前々へと脚は進む。
精神的にボロボロでも体はまだ動けるらしい。
麦畑に入った、この地域ではもう収穫の時期だろうか黄金色に輝いて風が吹くたびに麦がなびいた。
その中に一部波打っていないところが有る、よく見ると人が居るようだった。
同じような白に近い金髪の女性だった。
「シルヴァーノさん!」
顔を上げて嬉しそうにこっちに手を振り、麦畑から抜け出してきた。
疲れているのか目の下に昨日は無かったクマが出来ていた。
「朝早くに申し訳ありません。」
「いえ、それよりも妹さん目が覚めたみたいですよ!」
「!」
「こちらですわ!」
昨日来た時は夜中でよく見え無かったがこうして見ると、意外と小さい家だった。
だが、不釣り合いぐらい高級なドアノブややけに気品あふれるタンスが置いてあるので金持ちなのかも知れない、連れられた部屋には柔らかなベットに横たわる姫様の姿が有った。
幸せそうな顔で姫様は眠って居た。
「・・・・・・・そん・・・な・・・・」
「・・・。」
二度と目覚めることは無いだろう。
冷えてしまった手美しかったあの髪色。
もう見えない深い蒼い目。
騎士は硬直し始めた姫様の手の甲にキスをした。
その後にローザが額に軽く唇をあて、涙を手の甲でふき取った。
クリスティーネ10歳 死去
その若すぎる死に付き添ったのはローザ・ペトラルカと過去英雄と騒がれた一人の青年だった。
若すぎる死と傷ついた心にローザは泣いていた。
だが、その傍らで騎士はこれからどうしようかと考えていた。
ローザは思い悩んだ様子でこうつぶやいた。
「・・・国はお終いですね。」
「・・・・・ええ。」
「・・・何故こんなにも小さな子が犠牲になるのでしょう・・・。」
「戦争だからでしょう。」
騎士は冷たく言い放った。
彼の使命はすでに終わってしまった、姫様を助けるその使命がなくなった今ここに縛られる意味は無い。
胸ポケットに入れたこの手紙ももう用済みになる。
「この子を埋葬しましょう、後は私が何とかします。」
「・・・・・・・何故そんなに平気で居られるのですか?」
「・・・私は貴方のように悲しめません。」
「それは冷酷と受けっても・・・・?」
「お好きにどうぞ。」
騎士はローザはほとんど口を合わすことなく姫様を焼くことにした。
この辺に埋めると言っても麦畑ばかりで埋めることも出来ない、そうなると山に埋めることになるが、
山に埋めるとなると時間がかかるうえにオオカミなどに掘り返される危険がある。
騎士は箱を作りそこに姫様を寝かした、下に木材の屑や干し草を並べよく焼けるようにする。
姫様の持ち物をそこに並べ蓋を閉めた。
ローザは口を閉ざしたまま哀しげに姫様を見つめ蓋がしまった瞬間涙をこぼした。
騎士は黙ってその箱にオイルをかけ火をくべた。
勢いよく火は燃え上がり、夕方だと言うのにそこだけ昼間の様に明るかった。
鼻を突く人間が燃える匂いが騎士の体をめぐったが、騎士は黙ってそこに座って燃える姫様を見ていた。
ローザは真っ赤に泣きはらした目を押さえ騎士の横で静かに座って居た。
燃え上がる火は次第に小さくなっていき煤が残っている状況になった。
そんな中騎士が話し始めた。
「・・・この人は本当は妹では無いんです・・・・。」
「・・・どういうことですか?」
「自愛姫って知ってますか?」
「あの、自分のことしか考えられないと言われていた姫様のことですか?」
「・・・そうです。」
「死体が出てこないとは聞いていましたが・・・貴方はもしかして・・・」
騎士はローザの唇に指をあて、次の言葉を遮った。
その行為にローザは戸惑った様に見えたがすぐにその訳を理解して黙った。
「それ以上は禁句です・・・。私は護るのが仕事でした。信頼され自惚れして居たのかもしれません。
だけど・・・私は生き残っただけです、すぐにぼろが出てしまう・・・。」
騎士は苦しそうに目線を下に向け眉間にしわを寄せた。
「ッ私に・・・この子を護るだけの力なんて最初から無かったんです。」
「・・・貴方が居たからとても穏やかな顔をしていました。」
「・・・・・・・・・・・そうですか・・・。」
「ええ。」
「・・・あの子は本当は自愛姫なんかじゃ無かったんです。」
「はい。」
「国をどうにかしようと、必死に文献を読んで勉強ばかりしていました、何時も何時も・・。
でも気がついてやれたのは城が襲われる直前でした・・・。」
「はい」
「情けない話です・・・もう少し早く気付いてやれたらもう少し・・・・・・・・・」
騎士は不意に落ちた涙に気がついた。
肩が震え喉が傷み始める。
そして初めて気がついた自分が泣いていることに。
止めようと目を擦るが止まる様子は無く逆にボロボロと出てくる。
ついには嗚咽が出てくる。
ローザが騎士の体を抱えてくれた。
「くそ・・・・くそ・・・・・・!!!!!!私は・・・・私は・・!!!!」
「・・・。」
その日はローザの家に泊めてもらった。
教会で寝泊りをしようとしたことがばれたからだ。
「・・・一つ聞いても・・・?」
「はいなんでしょう。」
「この部屋にはベットが一つしかありませんよね。」
「ええ、何か問題でも?」
「・・・私はリビングで寝ますので。」
「私がリビングで寝ます。」
「女性をそんなところでは眠らせません。」
「どうぞ、ご心配なく。昨日で慣れました。」
「・・・。」
「こちらで寝ていただいて結構ですので、私はリビングで休むことにします。」
「・・・ローザ。」
「はい。」
「ありがとう。」
「・・・・・・はい。」
身体が重く頭も痛い、寝不足と言うのは言うまでもなく、またベットや食料もろくに無いこの教会で不調を訴えない方がおかしい。
騎士は昨日汲んでおいた水で顔を洗った。
今日はローズの所に行ってもう少し姫様を預かってもらい、そのあとバイルシュミット家へ向かう。
ローザなら預かったくれるだろう、断られたら姫様をおぶっていくしかない。
騎士は持っていたタオルで顔を拭いた。
疲れていたように思っていたが、歩き始めてみると不思議と前々へと脚は進む。
精神的にボロボロでも体はまだ動けるらしい。
麦畑に入った、この地域ではもう収穫の時期だろうか黄金色に輝いて風が吹くたびに麦がなびいた。
その中に一部波打っていないところが有る、よく見ると人が居るようだった。
同じような白に近い金髪の女性だった。
「シルヴァーノさん!」
顔を上げて嬉しそうにこっちに手を振り、麦畑から抜け出してきた。
疲れているのか目の下に昨日は無かったクマが出来ていた。
「朝早くに申し訳ありません。」
「いえ、それよりも妹さん目が覚めたみたいですよ!」
「!」
「こちらですわ!」
昨日来た時は夜中でよく見え無かったがこうして見ると、意外と小さい家だった。
だが、不釣り合いぐらい高級なドアノブややけに気品あふれるタンスが置いてあるので金持ちなのかも知れない、連れられた部屋には柔らかなベットに横たわる姫様の姿が有った。
幸せそうな顔で姫様は眠って居た。
「・・・・・・・そん・・・な・・・・」
「・・・。」
二度と目覚めることは無いだろう。
冷えてしまった手美しかったあの髪色。
もう見えない深い蒼い目。
騎士は硬直し始めた姫様の手の甲にキスをした。
その後にローザが額に軽く唇をあて、涙を手の甲でふき取った。
クリスティーネ10歳 死去
その若すぎる死に付き添ったのはローザ・ペトラルカと過去英雄と騒がれた一人の青年だった。
若すぎる死と傷ついた心にローザは泣いていた。
だが、その傍らで騎士はこれからどうしようかと考えていた。
ローザは思い悩んだ様子でこうつぶやいた。
「・・・国はお終いですね。」
「・・・・・ええ。」
「・・・何故こんなにも小さな子が犠牲になるのでしょう・・・。」
「戦争だからでしょう。」
騎士は冷たく言い放った。
彼の使命はすでに終わってしまった、姫様を助けるその使命がなくなった今ここに縛られる意味は無い。
胸ポケットに入れたこの手紙ももう用済みになる。
「この子を埋葬しましょう、後は私が何とかします。」
「・・・・・・・何故そんなに平気で居られるのですか?」
「・・・私は貴方のように悲しめません。」
「それは冷酷と受けっても・・・・?」
「お好きにどうぞ。」
騎士はローザはほとんど口を合わすことなく姫様を焼くことにした。
この辺に埋めると言っても麦畑ばかりで埋めることも出来ない、そうなると山に埋めることになるが、
山に埋めるとなると時間がかかるうえにオオカミなどに掘り返される危険がある。
騎士は箱を作りそこに姫様を寝かした、下に木材の屑や干し草を並べよく焼けるようにする。
姫様の持ち物をそこに並べ蓋を閉めた。
ローザは口を閉ざしたまま哀しげに姫様を見つめ蓋がしまった瞬間涙をこぼした。
騎士は黙ってその箱にオイルをかけ火をくべた。
勢いよく火は燃え上がり、夕方だと言うのにそこだけ昼間の様に明るかった。
鼻を突く人間が燃える匂いが騎士の体をめぐったが、騎士は黙ってそこに座って燃える姫様を見ていた。
ローザは真っ赤に泣きはらした目を押さえ騎士の横で静かに座って居た。
燃え上がる火は次第に小さくなっていき煤が残っている状況になった。
そんな中騎士が話し始めた。
「・・・この人は本当は妹では無いんです・・・・。」
「・・・どういうことですか?」
「自愛姫って知ってますか?」
「あの、自分のことしか考えられないと言われていた姫様のことですか?」
「・・・そうです。」
「死体が出てこないとは聞いていましたが・・・貴方はもしかして・・・」
騎士はローザの唇に指をあて、次の言葉を遮った。
その行為にローザは戸惑った様に見えたがすぐにその訳を理解して黙った。
「それ以上は禁句です・・・。私は護るのが仕事でした。信頼され自惚れして居たのかもしれません。
だけど・・・私は生き残っただけです、すぐにぼろが出てしまう・・・。」
騎士は苦しそうに目線を下に向け眉間にしわを寄せた。
「ッ私に・・・この子を護るだけの力なんて最初から無かったんです。」
「・・・貴方が居たからとても穏やかな顔をしていました。」
「・・・・・・・・・・・そうですか・・・。」
「ええ。」
「・・・あの子は本当は自愛姫なんかじゃ無かったんです。」
「はい。」
「国をどうにかしようと、必死に文献を読んで勉強ばかりしていました、何時も何時も・・。
でも気がついてやれたのは城が襲われる直前でした・・・。」
「はい」
「情けない話です・・・もう少し早く気付いてやれたらもう少し・・・・・・・・・」
騎士は不意に落ちた涙に気がついた。
肩が震え喉が傷み始める。
そして初めて気がついた自分が泣いていることに。
止めようと目を擦るが止まる様子は無く逆にボロボロと出てくる。
ついには嗚咽が出てくる。
ローザが騎士の体を抱えてくれた。
「くそ・・・・くそ・・・・・・!!!!!!私は・・・・私は・・!!!!」
「・・・。」
その日はローザの家に泊めてもらった。
教会で寝泊りをしようとしたことがばれたからだ。
「・・・一つ聞いても・・・?」
「はいなんでしょう。」
「この部屋にはベットが一つしかありませんよね。」
「ええ、何か問題でも?」
「・・・私はリビングで寝ますので。」
「私がリビングで寝ます。」
「女性をそんなところでは眠らせません。」
「どうぞ、ご心配なく。昨日で慣れました。」
「・・・。」
「こちらで寝ていただいて結構ですので、私はリビングで休むことにします。」
「・・・ローザ。」
「はい。」
「ありがとう。」
「・・・・・・はい。」
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