「マリアン行ってくるわ！」
「待ってルーテイ様！」

マリアンは周りに人がいないことを確認した後。
ルーテイの方を向いた。

「ルーテイ・・・さっきの兵士さんとのやり取りあまり褒められたものではないわ。」
「！」
「自分の立場と周囲の期待を意識しなさい、貴女には分かるでしょう？」
「・・・マリアン・・・。」
「行ってらっしゃいルーテイ。」
「・・・・。」

「嬢ちゃん良かったの？」
「嬢ちゃんは止めてアトワイト」
「でも、わたしは貴女のお母様に頼まれているのよ。これは仕方がないの。」
「自分の置かれている立場も、アトワイトの事も・・・分かっているつもりよ・・・。」
「嬢ちゃんだったら・・・。」
「でも、私はマリアンをあんな奴の近くに置いていたくないの・・・。」
「嬢ちゃん・・。」
「行くわよアトワイト！私達にはまずやることがあるはずよ」

その頃カイル達は。

『カイル！！起きんか！！フィリアが我を！！』
「マリーさん早く！」

外には複数の兵士が並んで宿屋を包囲している。

「カイルさん！！馬鹿いるさん！！！」
「え・・・何！？誰かバカって言った！？」
「カイル早く起きるんだ！！」
『カイル我を受け取るんだ！！』
「え？え？え？」
「カイルさん逃げますわよ！！」

宿屋のドアを開ける。

「やっぱり正面突破しか無いようですね・・・」
「貴様らか！！わざわざこんな田舎に連れ出した田舎者は！！」
「俺は田舎者じゃない！！」
「なんとふてぶてしい態度だ！！ひっ捕らえよ！！」
「なんで、そうなるんですか！？人違いですわ！！」
「フィリアさんがそう言っているんです。人違いですよ、悪いことなんて俺やってないもん」
「捕らえよ！！！！」

数十分後

「馬鹿は頭を使わないので困りますわ」
「これで頭が冷えたでしょう？俺たちじゃないんです。」
「楽しかったよ！」
「うう・・・。」
「これ以上見ていられないわ！！ちょっとそこをどきなさい！！」

そして出てきたのはへそ出しのお姉さん。

「母さん！！！！？？？？？」
「は！？・・・・ふん。事情も知らずに正義の味方気取ってるんじゃないわよ！！」
「でも、母さんってレンズハンターだって・・・！！！」
「あんなコソ泥と一緒にしないでよ！！」
「じゃあ本当に母さん！？」
「私は王国客員剣士ルーテイ・カトレット！あんたの母さんなんかじゃないわ！」
『アトワイト！？』
『美人は美人とくむものじゃな。』
『デイムロスじゃない！懐かしいわ』
「ソーデイアンが２本もあるなんてね・・・。これは良い金になるわ・・・。」
「あの人は守戦奴ですわ！！」
「うるさいわね、世の中金で動いてるのよ！？行くわよ！？」

「本気にさせたわね！！」
「え・・・？」
「派手に行くわよ！！・・・逃がさない！！いっただき！！！！」
「ごめん・・な・・さい・」
「英雄にはなれないのか・・・・・。」

倒れたカイル一同。

「ソーデイアン持ってる割にはあっけなかったわね。」
『嬢ちゃんの圧勝だったわね。』
「なんか未だにアトワイトの嬢ちゃん慣れないんだけど・・・。」
『慣れてくれないと困るわ』
「あの・・・すいません・・。」

声をかけてきたのは中年の中背中肉野郎だった。

「いやあ、あなたお強いですな～女性の美しさと強さを持っていて・・・」
「何？用件は短めに言わないと金を取るわよ。」
「・・うええ・！？・・・い・・いえ・・・まだ報奨金をもらってないので・・・。」
「ああ、あんたが軍に報告した奴ね。」
「え、ええ・・・。」
「軍の奴が後で届けに来るわ。用件はそれだけ？じゃあさっさと金持ってくるか消えて。」
「え！！？？はい！！」

中背中肉は消えてしまった。

『嬢ちゃん？急にきげんを悪くしてどうしたの？』
「ああやってあたしに絡んでくる奴が嫌いだってアトワイトも知ってるでしょう！？」
『でもそうやって人を遠ざけていてはだめよ。』
「この村もいい加減嫌気がさしてきたわ、田舎はこれだから嫌なのよ！帰るわよ！！」
 

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