「ここからは御前だ、陛下に失礼の無いように。」
「は！！」

御前に付くと、ヒューゴにドライデン陛下と名高い人たちが並んでいる。
カイルは珍しそうに目を輝かせ、フィリアはどうやってここから逃げ出そうかと考えていた。
マリーはさっきとは一転した世界を楽しんでいる。

「陛下の御前である、全員控えよ！！」

ドライデンの言葉に全員が顔を引き締める中、カイルは違うことを考えていた。

どうして母さんが客員剣士なんだろう・・・。

「どうしてこの場に引き立てられたか分かるか？」
「だから人違いだと言ってるんです、
どう考えても私達は御前に出される程の悪事を働いた覚えはありません！」

後ろから若い兵士がソーデイアンを運んできた。
それにフィリアはいち早く反応する。

「クレメンテ！！は・・・！！！！ここからでも昌術が使えるかもしれません！！
許しませんっ！
来たれ、生誕の雷！
怒れ、創世の大地！
 リバースクルセイダぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！！！！！」
「す・・・すごいやフィリアさん・・・！！」
「はあ・・・はあ・・・懺悔なさい！」

カイルは素直に感激。マリーは傍観。
ルーテイは守護方陣の発動が遅れてライフ０
ドライデンはぎりぎりライフが残っている状態で、
ヒューゴは涼しそうにその様子を見ている。

「落ち着かんか！！今度は反逆罪でここに連れてこられたいか！！！」
「まあまあ若いものがしたことです、陛下も大事に至らなかったようで。」
「ああ、ドライデン落ち着け。」
「・・・・・。」

ドライデンは煮え切った腹をしずめようと、カイルに目をやる。

「お前が持っていたソーデイアンは元々我が国が所有する筈だったもの。
それを何故お前が持っている！？」
「何故と言われても・・・色々事情があったとしか・・。」
「むう・・・とぼけよって・・・！！！終身刑だああ！！！」

ドランデンのきれそうな血管をカイルは心配した。
マリーは相変わらず傍観だ。
フィリア一人だけまともな反応をしている。

「そんな・・・！！」

そんな中また若い兵士が御前に入ってくる。

「申し上げます！！ストレライズ神殿がモンスターの襲撃を受けたとの事です！」
「なんだと！？」

それに大きく反応したのは陛下だった。

「どうしたのです陛下ルーテイが瀕死状態でも反応しなかった陛下が・・・。」
「うむ・・・根に持っていたのか・・・。
実はあそこにはきわめて重要な遺産があるのだ
・・・それにもしもの事があったと思うと・・。」
「遺物とは・・・。もしや神の目の事ですか？」
「神の目・・・？それは一体・・・。」
「・・・ヒューゴ知っておったのか・・・。」
「私は元々考古学にたずさわって居た身、推測したまでですが・・・。」
「あれは、世に出すなと王家の戒めにも残っているほどなのだ、」
「では、私がそれの安否に・・・」
「まってください将軍閣下が動けば民がかぎつけます」
「では、どうしろというのだ！！」
「せめて、他の七将軍・・・おっと今は任務中でしたな。」
「この場に適任者はいないのか！！」

「だったらそれ俺に行かせてください！」

空気を割ったのはカイルだった。

「俺、手柄をたてて兵士になりたいんです！」
「貴様どの口が士官などとほざくか！！」
「ふむ・・・・陛下この者たちは曲がりになりにもソーデイアンを使える身
貴重な素質ですぞ。どうです彼らに任せてみては・・・。」
「だが・・・だれが士官を」
「ルーテイが居ますな、あれもソーデイアンを使えます。」
「そういう筋書きかヒューゴよ、ようは手柄を娘に一人占めさせる気だな！」
「そのような事は・・・ですが適任者はいますまい。」

「母さんってヒューゴさんの娘だったんだ・・・。」

衝撃の事実を聞かされたカイルは少しへこみそうだった、
だが、ここでへこんでは父さんに会えない。

「緊急事態に付き、ヒューゴの提案に可決する。
ルーテイ・カトレット！！」
「げは・・・・・・は・・・！！」
「・・・・・・・・・・。ドライデン医療班を連れてこい。」
「は！！」
 

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