人間が嫌いな未成年。
たまに2次創作3次創作を打ちます。
完全オリジナルも打つ時もあります。
このブログを見た貴方と縁があること祈って・・・。
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醜い人魚は言いました。
「嗚呼・・・なんて私は美しいのかしら。」
「嗚呼・・・なんて私は美しいのかしら。」
自愛姫そう言われていたのは何時からだっただろうか。
最初のうちこそ兄弟や家族が、庇ってくれたが最近は放ったらかしで話相手すらしてくれない。
次第に誰とも話さなくなって、私は日のほとんどを一人で暮らすようになった。
別に嫌なわけではない。
だからと言って好き勝手言われるのは嫌だから、私は何も言われない洞窟に身をひそめることが多くなった。
洞窟の中では誰もいないし、誰にも何も言ってこなかった。
寂しいとか哀しいとか辛いとか嫌だとか。
痛いとか。
感じないだけ気が楽だった。
洞窟の中には鏡が一つ飾ってあって、私が前に立つともう一人の私が私のことをじっと見据えているのが分かった。
言葉を発しても褒めても笑っても怒っても相手も同じ行動をするだけで、一日が終わった。
鏡を突けば鏡の中の私も突き、鏡を見れば、鏡の私も見る。
初めは気持ち悪かった。
ただでさえ、醜いと知っている自らをこの目でまじまじと見るなんて。
気が重くなるだけで、何も楽しくなかった。
だけど、じっと見ているうちに何となく私も美しいのではないだろうかと思い始めてきた。
そして、言葉をかけるようになった。
最初は自己紹介から始めた。
「私は自愛姫。」
もちろん返事など帰って来ない。
むしろ何故じぶんがこんなことをしているのか馬鹿らしくなってくるほどだった。
だけど、声を出すと言うことは嫌ではなく。
むしろ誰とも話さない日常から解放された様な気分になった。
「こんにちわ。」
「 こ ん に ち わ 」
驚いた。
返事が返って来たのではないのだろうか。
そう思って、また話しかけた。
「貴方は美しいわね。」
「 そ う 思 う ? 」
今度は絶対だ。
確実に返事した。
私が会話をしようとすると返事をくれる。
そう思うと止められなかった。
面白い。楽しい。鏡なんて関係ない。返事をくれる。
狂い始めた。そう感じたのは私自身だった。
自覚があった。
狂い始めたと、誰かも分からない物と話していると。
それでも良かった。
自らを愛していると感じても。
それでも誰も私の様な醜い物の相手なんてしてくれない。
それなら私が愛そう。
私が自らを愛そう。
裏切らない、裏切らない自らに鎖を付けて。
醜くない私は一番美しい。
愛されないのなら自らを愛してしまえ。
そして私は問う
見えない私という名の他人に。
「愛している?」と
そう問えば自分に都合のいい答えがいつも帰ってくるのだ。
例え、一番の理解者を奪われたとしてもそれはそれでは無いのだから。
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