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人間が嫌いな未成年。 たまに2次創作3次創作を打ちます。 完全オリジナルも打つ時もあります。 このブログを見た貴方と縁があること祈って・・・。
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フェリシア―ノと言う名の美しい人魚が居た。
その人魚はその美しさゆえに美しくない物には程々無頓着だった。

フェリシア―ノは自らを1と決めそして海底のすぐそばに出来た洞窟で自らを愛でているのだった。

 


___?

 

ねえどこに行ったの?

 

僕との約束は・・・?

 

向かいに来てくれるんだよね?

 

ねえ___。

 

いねえよ。

 

もうアント―ニョも___も居ねえよ。

 

うそでしょ?だって俺約束したよ?

 

迎えに来てくれるって。

 

彼と彼の決別

 

 

「ごめんな親分もう行かなあかんねん。」

「なんでだよ!俺との約束はどうなったんだよ!!」

 

ロヴィーノは美しいと噂される弟は違い。

人々から白い目を向けられていた。

顔のつくりだけを見れば、ロヴィーノも誰にも劣らない美しさを持っていたが、

彼は弟よりもずっと劣化した能力しか持ち合わせていなかった。

 

そんな孤独なロヴィーノを救ったのが庭師のアント―ニョだった。

彼らは次第に打ち解け、今では庭師であるアント―ニョを本当の兄の様にしたっていた。

 

「戦争や・・・仕方ないやろ?」

「・・・いやだ!俺からの命令だ!!」

「・・・せやいうても・・・」

「なんでだよ!フェリシアーノはルートと一緒に居るぞ!何でお前は駄目なんだよ!」

「・・・我儘言うたら親分怒るよ?ココでこんなことしてる時点で親分危ないんやで?」

 

隣国との戦争はとどまる事を知らず

ついには城下にまで及ぶものになって居た。

 

そしてこの時点でロヴィーノの立場はあやふやのものとなって居た。

城の中でも彼は独り浮いた存在であり、全ての権限はフェリシアーノが握って居た。

 

アント―ニョはそのことを黙ってロヴィーノとまるで兄妹の様にしたっていた。

もちろん魂胆が全くないと言えばうそになる。

だが、この時点でロヴィーノの我儘は全く意味の無いものであった。

 

何も知らないロヴィーノを護る策として考え付いたのが弟であるフェリシアーノとの決別だった。

だが、それは戦火を突っ切ると言う無謀な作戦であった。

 

アント―ニョはすべてをロヴィーノに任せようと考えていた。

ロヴィーノが望むままにしてやろうと、アント―ニョは何処かで考えていた。

 

アント―ニョは静かにロヴィーノに語りかけた。

するとロヴィーノは静かに驚いたように目を見開いた。

 

「どういうことだよ・・・。」

「・・・本当はな・・・みんな知っててん。ごめんな・・・ほんとにごめんなあ・・・。」

「・・・別に良いけどさ・・・俺・・・付いていきたい・・・・。」

「ほんまか!?行くんやな!!」

「・・・行く…。」

 

そして彼らは別々に逃げていくのだった。

フェリシアーノは北へ、ロヴィーノは南へ。

 

彼らの行きついた先は歴史には残って居ないが、推測すると海ではないかと考えられている。

そしてロヴィーノは居なかったことにされフェリシアーノは城下で捕らえられ殺されたと残されている。

 

 

 

数百年後。

 

「菊さん。なんですかこれ・・・。」

「ああ・・・これは人魚姫ですよ。ほらネズミーが映画とかで・・・」

「私そんなの見たことないです。」

「湾ちゃんは耀さんの所で育ったんですよね確か・・・。」

 

それならば仕方ないかもしれないと菊はため息をついた。

 

「自愛という言葉をご存知ですか?」

「・・・ええと・・・お体をお大事にって意味ですよね?」

「その通りです。ですが昔の教養無い人たちに自らを愛しし過ぎる人魚姫の事を自愛姫と呼んだそうです。」

「でも・・・人魚って本当には居ませんよね・・・?」

「人魚姫のモデルになった人がいましてね。その方が自愛姫と呼ばれていたのだろうと・・・・。」

「モデルになった人?」

「ええ、男性でありながら類いまれなる美しさと権力を握ってた人です。」

「男の人がモデルになったんですか!?」

「昔の話ですからね、嘘かもしれませんよ。」

「あ・・・そうか・・。」

「我儘を尽くされ最後は無残な最期だと残って居ます。でも一般的な人魚姫ではないですけど・・・。」

「一般的な人魚姫・・・ですか?」

「ええ、デンマークのアルゼンチン童話の一つなんですよ有名な話なんですよ。解釈も多くて。」

「どんな話なんですか!?」

「・・・若い人魚姫が王子様に恋をして、自らも人間になり恋を実らせようとした話です。・・・最後は泡となって消えるんですけどね・・・。」

「なんか・・・哀しい話ですね・・・。」

「・・・そうですね。でもそれが運命なんだと人魚姫は受け止めたと思いますよ・・・。」

「菊さんも・・・?」

「私・・ですか・・・?」

「すごく寂しそうな眼をしてるから・・・。」

「湾ちゃんは優しいですね。大丈夫です。寂しい時にはあなたが居ますから。」

「・・・!!」


そう私は全てを知ってしまったから。
あなたはどうか幸せになってほしい。

前世とのかかわりを知ったのは私だけなのだろうか・・・?

そう思いながらも菊は手元に置いていたコーヒーに手を伸ばした。
既に冷たくなっているコーヒーは飲みやすかったが何処か寂しげだった。

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