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人間が嫌いな未成年。 たまに2次創作3次創作を打ちます。 完全オリジナルも打つ時もあります。 このブログを見た貴方と縁があること祈って・・・。
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プロローグ自体は短編のようによんでも大丈夫です。

でも伏線は貼ってあるので気を付けてくださいね。


人魚姫 プロローグD

「お兄ちゃん。」
「なんだ?俺はちょっくら海藻でも捕ってこようかとおもってんだげども。」
「お母さんが・・・お母さんが・・・息してない。」
「なんだって!?」

青ざめた弟をどかして母の居る部屋に入った。日頃ノックをしなさいと煩く言われるがこの日は何も言われずにドアは大きく音を鳴らした。

ギィギィとドアがなる中、少年たちは二人立ち尽くしていた。

この日母は34歳の生涯に幕を下ろした。

兄弟たちが引き取られたのは潰れかけの孤児院だった。このとき兄のノルは10歳。弟のイ―スはわずか6歳だった。

「おめーらが、引き取られッたばっかの兄弟け!?」
「ンな事どうでもいいべ。お前はなんだ。」
「俺!?俺はデンっていうんだっぺよ。本当はもちっと長い名前あんだけど、全部知らない。」

ノルはデンを見た後、イ―スを連れて孤児院の中に入った。
自分たちの荷物が届いている筈だ、孤児院の院長さんに挨拶をした後用意された部屋に入った。

だが、その光景は想像しいたより酷いものだった。
住む部屋や窓から見える光景には文句は無かった。だが、部屋に無造作に置かれた箱は中身が飛び散って金目のものはすべて消えていた。

元々金持ちでは無かったノル達だったが母親の形見であった髪飾りが捕られたことは、辛かった。

「お兄ちゃん・・・お母さんの髪飾り・・ないよ・・・うわ・・・ああああああああああああああん!!」
「ん?何があったのけ?」

ノルの足蹴りがデンの眉間に入る。その衝撃に耐えられずにデンは倒れた。

「いってええええええええええ!!なにすっぺ!!」
「ぺぺ煩いべ。お前がやっただか?」

威圧感がデンの周りを漂わさせるが、デン自体は全く気が付いていないようだ。

「死らねーっぺ!他の奴らがやったんじゃないけ?」

デンが後ろを振り向くとそこに居た子供が一気にその場を離れた。

「ふん。」

ノルに腕を思いっきり引っ張られながらデンは子供たちを追いかけた。

「出てこい。ごごごごg・・・」
「ノル。おめえ。怒ってる?」
「黙れ。」

その頃独り残されたイ―スは涙を拭いて、連れてきた魚のパヒィンに餌をやった後。
コッソリと持ってきていたナイフをもう一度鞄の中に入れて部屋の外にでた。

お母さんの髪飾りを取り返すんだ!

イ―スがいきなり飛び出した所為かドアの前に人魚が居ることに気がつかなかった。

「うわ!」
「わ!ってて・・・大丈夫きみ!」

イ―スは身体が小さいので簡単に飛ばされてしまったが元々スピードの出ていなかった少年は特に大事は無い様だ。

「あ~あ、急に飛び出してくるからだよ、僕はティノ。君は?」
「・・・僕はイ―ス。」
「そっかよろしくねイ―ス君。そうだ僕さベールヴァルドっていう男の子探してるんだけど知らない?僕よりもずっと背がたくて顔が怖いんだけど・・・。」
「・・・僕来たばっかだから。」

イ―スは下を向いてティノの目を見ようとしなかった。
ティノはごめんねと言った後イ―スから離れた。その手にはイ―スが鞄に入れていた筈のナイフが握られていた。

「物を盗まれたけ?ならティノかベールだな。」
「だれだそれ。」
「街じゃ結構有名なスリだっぺ。親がサメに喰われたって言ってココに住んでるけどティノはどうだろうな。」
「どういうことだべ?」
「ティノは生まれつき脚が生えってるけ。そういう奴は捨てられるのが大概だから、きっと捨てられたんだべ。」

悪びれる様子もなくデンはそう言い放った。

「脚が生えてる?なんだべ脚って。」
「知らないけ?人間にはみんな生えてんだと。人魚の中にもちょっくら出てるだろ?脚の生えた人魚が。」

気持ち悪いそう思った矢先ノルはその目で脚を見た。
隣に居るのはデンの言っていたベールとか言うやつだろう。

「君新入り?僕はティノ。仲良くしようよ。」
「おめえ、脚ってのが生えてんだな。」
「・・・。そうだよ。気持ち悪いでしょ?でもね上じゃみんなそうなんだよ。」
「俺はベール。・・・これちゃんと片付けて・・。」

ベールがノルの目の前に母の形見の髪飾りをぶら下げた。
それをノルは奪い取った。

「おめえが盗んだんだべ。嘘つくな。」

ノルの威圧感とベールの威圧感がぶつかる中ティノは持っていたナイフをノルに投げ付けた。
ノルはそれに間一髪で気が付き避けたが、当たって居たら確実に事故じゃ済まない怪我を負っていただろう。

「あ、残念当たらなかったや。でも次は当てるからもうケンカなんかやめない?」
「おめえらが、勝手に人の荷物漁ってたんだべ。」
「あ”・・・?」
「なんだべ・・・?」
「みんなもう仲良しだな~!良し!俺が景気付けに一曲歌うべ!俺の美声でさらに仲が良くなること間違いなしだべ!」

「・・・ベールさんもう良いでしょ?行きましょう。」
「ああ”・・・。」

ベールの目はまだノルを見ていた。
その目は間違いなく気に入らないと言っていた。

デンは一人唄っていたが、誰も聞いていない事に気がつくとイ―スを探しに孤児院の中をうろついた。

「あ・・あれ?ナイフがないや・・・。」
「これけ?」
「あ、お兄ちゃん。」
「これは危ないべ。あんまし持つな。」
「う、うん。」
「それより髪飾りあったべ。」
「え!?あったの??」
「落ちてたべ。これからは無くなさいようにしないとな。」
「う・・・うん!!」


その頃ティノ達は。

「・・・なしてあそこで引いた?」
「そう言うことに関してはベールさんの方が十八番でしょう?僕は薬の時間なんですよ。」
「・・・それは美味いか?」
「美味かったら僕は今頃薬漬けですよ。」

ティノは鞄の内ポケットに溜めてある薬を数えた。
あと70しかない。

「また、ロ―デリヒさんの家に行かなきゃ。」
「・・・またか?金は集まったのか?」
「・・・まだ足りません。」
「間にあうか?」
「どうでしょう?僕みたいな半端物は死んだ方が実の為かも知れませんしね。」
「・・・んなことない。」
「どうでしょうね。」

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