人間が嫌いな未成年。
たまに2次創作3次創作を打ちます。
完全オリジナルも打つ時もあります。
このブログを見た貴方と縁があること祈って・・・。
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そろそろ陸編のプロローグやっておいても問題はなさそうだよな~。
イヴァンさんのプロローグ書いておくか。
本編9
トントン
ノックの音が部屋の中で響いた。
ドアを開けてみるとそこに居たのは軽装ではある鎧を身に付けた青年が二人並んでこっちを見ていた。
一人は白金の髪色をした細身の青年だった。目は深い蒼でさっきからドアを開けた青年を睨んでいた。
もう一人は眉間にしわを寄せて帰りたいと言わんばかりに口をとがらせて青年の少し後ろで鎧に付いた装飾を指でなぞって、白金の青年に早くしてほしと促した。
「久しぶりですね。ノル君。イ―ス君。」
にっこりと笑ったのはヒレなしのティノだ。
白金の柔らかそうな髪と紫がかった目の色は見るものを魅了する。
だが、おそらくノル君と呼ばれた彼はキッと目を鋭くさせ、話しにくそうに口ごもりながら話し始めた。
「・・・ヴァルガス王からの依頼だ。中に入れろ。」
「フフフ。無理してそんな話し方しなくても大丈夫ですよ。ノル君。」
「僕らみたいなのがココでちんたらしてられないんだけど、早く入れてくんない?」
「正規軍も大変ですね。まあ、入ってくださいよ。」
中に入ると藻に包まれた廊下を通ってやっと5人ほどの人魚が入れるだけのスペースが空いた部屋に出た。
部屋は片付けれ先程の廊下とは比較にならない。
「きだな・・・。」
中には強面の背が高く色が白い青年がいた。
彼の名前はベールヴァルド・オキセンスシェルナといい。基本的にはベールと短縮された呼ばれ方をされている。
そのベールに真っ向から睨みを利かせているのはノルだった。
「・・・ああ。ベール久しぶりだな。」
「軍に入ったって聞いただども・・・本当だったか。」
このままでは話が進みそうにないと思ったイ―スが痺れを切らして軽く舌打ちした後ベールとノルの間をワザと通った。
「・・・話進めてもいい?」
「・・・ん。」
イ―スは持ってきたパズルのような石を並べた。
少しずつ形を表し、やっと中の文字が読めるようになったころにベールの表情が曇った。
その次にティノが言葉をもらした。
「これ・・・暗号ですよね。」
「うん。・・・内容はっと・・・言わなくても分かるよね。」
ノルがベールやティノの表情を読みとろと顔を覗き込むとやめなよと、イ―スに止められた。
しばらく立ってベールが呟いた。
「ごれ・・・俺たちがやるのか・・・。」
「・・・ロヴィーノの方が俺たちに言ってきた。フェリシアーノの方は知らない。」
「ノル!もう・・・説明不足だよ。あのね、依頼してきたのは正しくはサディクとヘラクレス。名前くらいは知ってるでしょ?」
ティノが脚を撫でながらぼそりと呟いた。
「ああ・・・あの鼻たれか・・・。」
「何かいった?」
「いいえ?それでなんですか?」
ティノに促されてそうそうとイ―スがまた石の方に目をやった。
「その2人が僕らに依頼してきたんだけど、これを実行するのが僕とノル。それとベールとデン兄と・・・。」
その言葉にティノは顔を真っ青にした、言葉を詰まらせながらも必死に訴えた。
「ちょっと待って。これだけの依頼に適当過ぎないですか!?」
「・・・僕もそれは思った。でも逆に大き過ぎるからこそ少数でやれって事じゃない?」
イ―スのまるで大した問題ではないと言いたげな言い方にティノは叫んだ。
「こんなの国全体に関わる依頼でしょう!?ベールさん。止めましょう、こんなのやれることじゃない。」
ベールにそう提案するが本人はやる気満々で今更止めようと言っても聞かなさそうだ。
だが、これが失敗するれば笑いごとでは済まされない。
「ん。でもこの生活から抜け出すにはいいがもしれねーな。」
「ベールさん!駄目です!失敗すれば僕ら裏切者とか言われて国を追われちゃいますよ!」
ベールはティノ腕を引っ張って耳打ちした。
ティノは最初は抵抗のありそうな顔をしていたが、諦めたようにため息を付いた。
「・・・わかりました。でもこの人数じゃあ、出来るものも出来ませんよ。」
「それに関しては任せて、向こうにはすでに裏切者が潜んでるから。」
「だれだ。」
強面の顔をさらにきつくさせえてベールがイ―スを睨んだ。
イ―スは少し悩んだ後、ノルに顔を向けた。
「・・・知らない。」
そう答えたのはイ―スだ。だが、ノルは顔を伏せて頷きもしようとしなかった。
イ―スが立ちあがって部屋を出た。それに続いてノルが部屋に出ようとするとティノがそれを制止した。
ノルがティノに目を向けると、沈んだ声でティノはノルをみた。
「誰なの?」
ノルはティノの目を見たまま迷いながら答えた。
「その内分かる。」
「おい、アント―ニョ菊は変わり者って本当かよ。」
「ん?ああ、それな。本当やで。」
褐色の肌に黒髪の青年は菊の部屋をごそごそと何かを探しながら答えた。
「あんな、ロヴィーノ。菊はどうも記憶的な障害があんねんて。」
「障害・・・?」
「ああ、障害言うても障害者の方じゃなくてな、どうも記憶喪失らしいねん。」
その言葉にロヴィーノは首をかしげた。
「記憶喪失・・・?でもアイツ別にそんなに不便そうじゃないぞ。それに昔からの友達もイルっぽいし。」
「なんでもな、13歳からの記憶が無いらしいわ、んで実の両親も本当の両親なのかさえ分からんねんて。」
「へえ~・・・なんでそれが変人扱いに繋がるんだ?」
「俺、友達言うたやん。菊とは15歳からの友達やで?まあ、向こうの方が年上やったけどな。」
アント―ニョが引き出しを引っくり返すのを見ながらロヴィーノは近くに置いてあった。
せんべいをかじった。
「んで、菊なたまに奇声上げて転びまわることがあんねん。だから、変わり者って言われてるみたいやな。」
「ふぇ~。んで?お前はさっきから何してんだよ。」
「は!?もう、ロヴィーノいい加減仕事覚えー!言ったやろ。俺らの仕事は基本的に依頼主は不明。ただ、的確な資料と・・・」
「それは知ってるって。今日は何なのかって聞いてんだけど。」
「ああ、今日はな。人魚に関する資料を盗ってきてくれやって。俺ら舐めてるよな。まあ、その分捕るとるけどな。」
「こえー。」
「何が?これが俺の仕事やで?」
「友達んちでも関係ねーのね。」
「・・・何言ってんの?これは仕事やで、友達とか肉親とか関係ないねんで。」
「だな・・・俺も手伝う。」
「嬉しいわ。」
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