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人間が嫌いな未成年。 たまに2次創作3次創作を打ちます。 完全オリジナルも打つ時もあります。 このブログを見た貴方と縁があること祈って・・・。
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リオンがフィリア役っていうのもリメイクこそ。
最近リオン役をルーテイにした所為かルーテイが好きになってきた。

「にしても惜しいことしたわ。」
『?どうかしたの?』

そう言うのはルーテイの腰から下げている剣、アトワイトである。
ソーデイアンと呼ばれ、意思を持っている。

「リオンの石化を解かなければ・・・売りさばけたかなって・・・。」
『・・・・・・・・・・・・』
「・・・・・・・・・・・・」

リオンは声にならない声を漏らした。
そして石化状態から、今の健全な状態になったことを心から喜んだ。
自分が石化状態のまま他人の家に置かれるなら、
死んだ方がマシだとリオンは思った。

「・・・・・ジューダス。」

カイルが恨めしそうにリオンの方を見るので、
リオンは何が何だか分からないまま、目線を合わせた。

「・・・僕はリオンだ。」
「・・・そ、そうだよね・・・リオンは司祭なんだって?」
「ああ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」

上手く話が続かない。
それどころか、リオンはさっきから目を合わせようともしなかった。
リオンは口には出さないが何かを深く考えているようだった。

「ねえ、リオンあんた戦えるの?」
「いや・・・剣を握ったこともない・・・。」
「そうですか・・・守りながら戦うのにはあまり慣れていないのですが・・・。」
「なに、なんとかなるだろう。」

リオンに聞いたそれはモンスターや、盗賊に対しての質問だった。
ろくに戦えない人間がいるというのは、実はとても重荷なことで、
素人が簡単に出来ることではない。

だから、街をでて他の街に行くときに、傭兵などを雇うのだ。
金さえ払えば、自分の手を汚さずとも命を守ってくれるのだから。

「あたし達はあんたの用心棒じゃないんだけどね。」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「ルーテイさん!さすがにそれは言い過ぎだよ!
確かに、戦う事は出来なくても何か出来ることは・・・」
「それが、甘いっていってんのよ。」

ルーテイはそう冷たく言い捨てた。
ルーテイはアメジスト色に輝く瞳をリオンに向けた。
それは暖かく情があるようなものではなく、冷酷で現実を感じさせる。

「モンスターと会うことも少なかったんでしょ?
だったら身を守る手段は誰が教えてくれたのよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」

そう言い放ったルーテイにカイルは落ち着いた様子で言う。

「だったら、俺たちが教えればいい・・・。」

カイルはさっきから、ぶつけられない苛立ちを覚えていた。
今だって、声が少し震えて肩が強張って・・・。
誰が見たって何かを我慢しているようにしか思えなかった。
それでも、これから仲間として同行するリオンに嫌なおもいをさせたくなかった。

「・・・・・・・・・・勝手にすればいいわ」

ルーテイの言葉に唇をかんだが、それを抑え込んでリオンを見た。

忘れもしない、竜骨の少年。
何時もなんだかんだで助けてくれて、叱ってくれて。
でも昔より少し丸くなった言葉や神官という職柄の所為か、少し優しそうにみえる。

ちょっとでも長く目を合わせようとするとすぐ目線を外し下を向く所を見ると、
全く違う人物にも見える。

「大丈夫俺が守るから。」
「もちろん私も付いています」
「私もだ。」

その言葉にリオンは少し照れくさそうにありがとうと呟いた。
ルーテイ一人を除いては、リオンの気持ちが少し楽になった気がした。

ここはセインガルトの首都ダリルシェイドの街の東。
そこには港があり。
何時もどこかしら賑わっていて、明るいが同時に騒がしい。
そして、カイル達が港に付いた時。
何時もなら賑わい落ち着きのない港なのにこの日は静かだった。

「カルバレイス行きの船?ああ、丁度行ったところだよ。」
「遅かったわ・・・!!」

ルーテイは悔しそうにリオンを見た、リオンは目線をそらしてまた考え込んでしまった。
その様子をあまり良いようには見れないなと思いながら、
カイルは大きい荷物を乗せませんでしたか?と尋ねると船員は港の人総出でその荷物を乗せたという。

「・・・やっぱり行ったみたいだ・・・。」
「・・・。」

ルーテイはリオンを睨み少しした後陛下に報告と船を出して貰えるよう頼んでくると言って、
城へ走って行ってしまった。

「はあ・・・これも全部リオンの所為ね。」

やっぱり売ればよかったと悔しそうになる顔を見てアトワイトは少し笑った。

『ふふ・・・でも知ってたんでしょう?彼の事。』
「何の話よ。」
『とぼけちゃって嬢ちゃんも素直じゃないわね。』
「だか・・・・・・・・・・・・・・・・」

城に入った後目にした人物はヒューゴだった。
慣れないコロンの匂いと何かを企んでいるような笑み。
正直会いたくなかった。それをアトワイトも思っていたのか、口に出す。

『カイル達には報告と言ってはいるけど・・・会わないならそれに越したことも無かったわね・・・。』
「・・・・・・・・・・・・」

ルーテイの汗や肩使いから、走ってきたのはばればれだ。

「どうした、ルーテイそんなにも慌てて」
「・・・・・・実は・・・・・。
神の目がグレバムの手によって奪われました。
そして、カルバレイスに逃げたとみて間違いなさそうです。」
「なんと!?お前を信用してした行動がこれとはな・・・」

何が信用だ・・・。
そう言ってやりたかった、さっきから薄気味悪い顔を覗かせている顔に唾を吐いてやりたい。
だが、それを今やったところでどうにもならない事は分かっていた。

「もう良い、後は誰か七将軍にでも任せればいい話だからな、そうだ丁度・・・」

その時ルーテイの中で何かがはじけた。

「・・・!!冗談じゃないわ!!」
『!!嬢ちゃんだめよ!!仮にも上官に向かって・・・!!」
「これは、あたしの仕事よ!!誰にも邪魔されて欲しくないの!!」
「そんなにもマリアンが好きかね?」
「!!今はそんな冗談言っている暇なんか無いわ!!
そこをどいて、あたしは自分で陛下を納得させてみせるわ!!」

無理やりにヒューゴの横を通ろうとしたが、それをヒューゴの右手に制止される。
その手をはじくが、左手で肩を無理に掴まれ後ろに尻もちを打った。

「惨めだな。」
「!!!」

こいつ・・・!!
せめて睨んでやろうとヒューゴの顔を探す。
だが、探そうと顔を上げた瞬間ヒューゴの顔が目の前にあった。

「それ故に放って置けないがな」
「・・・!!あたしはもうあんたの力を借りなくても陛下を説得させるぐらい出来るわ!!」

手をヒューゴの肩にあて思いっきり押す。
重力に従い、ヒューゴは後ろに倒れ、ルーテイのように尻もちをついた形になる。
それを見計らってルーテイは飛び起きた。

「それはどうかな?」
「・・・どういうことよ」
「任務に失敗したお前に陛下は何とお思いになるだろうか・・・
しかも国外に犯人を逃がしたお前が、船を出してくれなどと・・・。」

ルーテイは倒れているヒューゴの胸ぐらを掴んでやりたい気持ちを落ち着かせて
そこを後にした。

「ハハハ!面白く育ったものだ!まだまだ子供だな。」

ルーテイはさっきのヒューゴとのやり取りの所為で視線を浴びていた。
陛下の御前に入る前に注意を受ける程だった。

「陛下!」
「おお、ルーテイか!して、神の目はどうだった!?」
「・・・・・・。」

ルーテイはヒューゴに説明したことを陛下に伝えた。
その報告に陛下は納得できないようだった。

「ヒューゴの言葉を信じてした行動がこれか!
所詮は子供ばかりに任せたのが悪かったのだ・・・!!
お主はもういい!ドライデン!ドランデンは居らぬか!!」
「陛下!!お聞きください!」
「言いわけなど聞きたくない!」
「違います!言い訳などではありません!陛下の船をお貸しください!
そうしていただけるなら、グレバム一味を私が何とかして見せます!!
失敗はありません!!」
「・・・。だが・・・。」

ルーテイの真剣かつ熱意あふれる目を見て黙ってしまう。

「分かった・・・。だが我の船は用意をするのに時間がかかる、
それでも構わんか・・・?」
「はい!ありがとうございます!!」

やった!
心の中でヒューゴに勝ったという気持ちが広がる、
顔の表情も柔らかくなり、肩の緊張もほぐれていく
アトワイトもやったわねと喜んでいた。

「して、ヒューゴはどこにいる」

気がつけばじっとりと背中に汗をかいて少し気持ち悪い。
それどころか頭の中に響く陛下の声と聞こえにくなる新たな会話。
目の前が急に白くなった感触と吐き気が同時におそう。

今なんて言った・・・?

「全く娘を一人よこして自分は知らんぷりか。」

結局は同じだったのか・・・。

『嬢ちゃんはもう一人でも出来るって言っているのに・・・!酷いわ!!』

陛下が納得したのもヒューゴが後ろに居たから。
何かがあったらヒューゴが責任をとるだろう。
そんな盾をルーテイの後ろに立てている。

「私の居ないところで私の価値を決めないで頂きたいですな。」
「おお、ヒューゴか!どこへ行っていたのだ。」
「いえ、陛下の船では時間がかかるだろうと、オべロン社の船を用意してきたところです。」
「そうか、さすがヒューゴじゃな。」
「いえ・・・。」
「ルーテイよ先程も言ったとおり我の船では時間がかかる、
お主は親ごころに感謝して任務を続行するのだ」
「御意のままに・・・。」
 

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