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いつかここを出て
顔も知らな両親に会いたいと思っていた。
いつか いつか いつかは。
そうやって僕は気がついたら16歳になった。
船に乗ってリオンは一人部屋の隅に座り込んだ。
周りは、これから行くだろうカルバレイスの話をしていた。
そんな中一人黙って居るリオンにカイルが話しかけた。
「へへ、ジューダスとまた会えるとは思ってなかったよ。」
「・・・僕はリオンだ。」
「そっか、ねえリオンは天地戦争の事知ってる?俺さ実際に経験したんだけどいまいち分からなくて・・・。話について行けないから困ってるんだ。」
「・・・天地戦争とは世界を二分するほどの戦争だったと本に書いてあったな。」
それから基本的な天地戦争の話をカイルに教えた。
最初は不思議そうに顔を歪ませていたカイルだったが、しばらくして納得したようにへえ―と頷いていた。
「父さんたちの知識は俺たちの知識と違ったんだな~・・・。」
「?とまあ、これが俗に言う天地戦争だ。」
「ありがとう、また分からないことが有ったら教えてよ!俺馬鹿だから、助かるんだ。」
あまりに素直なカイルにリオンは顔が少し緩んだ。
「・・・。ああ。」
その頃ルーテイとアトワイトは甲板に出ていた。
『どうしたの嬢ちゃん。』
「アトワイト、その言い方やっぱりやめない?」
『あら、何故?』
「・・・別に嬢ちゃんじゃなくても良いじゃない・・・。お嬢さんとかさ・・・。」
『・・・でも貴方そんな大人っぽく見える?』
「良いじゃない!そんなにまな板とでも言いたいの!?」
そこにたまたま居合わせたフィリアとクレメンテ。
『取り込み中の様じゃな。』
「ルーテイさん・・・あんなに悩んでいらしたんですね。」
『「まな板」』
「ハモるな!何よなんか用!?」
「デイムロスが呼んでいますわ。」
『うむ、シャルテイエの事でのう。』
「そんなのソーデイアンなんだから、通信能力でも使いなさいよ!」
「あら、そうでしたわ。」
『しまったのう。』
「あんたたち・・・ワザとね!!」
ぶつくさ文句を言ったがそれを尽く誤魔化していくフィリアにルーテイは疲れていた。
自分は傍観者でいようと思ったのがアトワイトに伝わったのか、アトワイトが話し始めた。
『来たわよ』
『これからの事なんだが。』
『シャルテイエの事じゃのう、あ奴は放っていた方が世界の平和につながるじゃないかのう。』
『老!貴方が沈んでいたかもしれないんですよ!』
『わしはフィリアが居るからのう、それで十分じゃ。大体マスターの問題はどうするんじゃ?』
『そのことは後で考える、扱える人間が居ない以上持っていてもまあ・・・無駄と言えば無駄だが。
使えない奴でも居ないよりはマシだろう。』
『ええ、地面にでも突き立てて昌術でも使ってもらえれば良いわ。』
ソーデイアン達がかなり酷い扱いのシャルテイエの会議を繰り出している間、
カイルはマリーとリオンに説明をしていた。
ルーテイとフィリアはその間どこに目を持っているか分からなかった。
『ルーテイ、起きていくわよ。』
「ね・・・寝てないわよ~・・・どこにィ??」
『海底よ。』
「はあ!?」
アトワイトのセリフに驚きはしたものの付き合いが長いだけあって、嘘をついていないことは分かる。
バカバカしいとは思ったが、デイムロスの言うとおりに剣を海に掲げた。
すると海から大きな化け物と言うべきであろうか、大きな生物が出てきた。
それをアトワイトが海竜だと説明してくれた。
「・・・でかいですわ。」
「可愛い・・・。」
「・・・これが・・・・海竜・・・。」
カイルがどこから乗るのだろうと、海竜を見渡していたが、すぐにその目線はリオンに向いた。
「リオン、あんたも付いてきなさい。」
「え・・・?」
「逃げられたら困るわ、早くしなさい。」
「リオンがそんなことするわけないだろう!」
「カイルは黙ってなさい、行くわよ。」
「ああ・・・・。」
中に入ると長い間放置されていたからだろうか、モンスターの気配があちらこちらからしていた。
その雰囲気にのまれそうになりそうになりながらも、カイルはリオンを残すことを決めた。
「ここからは、リオンは残っておいた方が良いね。」
「そうですわね、待っててくださいね。」
「ああ・・・。」
「文句は無いよね、ルーテイさん。・・・じゃあ、リオン行ってくる。」
「気を付けてな・・・。」
カイル達が行ってしまってリオンは暇で暇で仕方がなかった。
約5分で出来るアップルグミがもう作れないとリオンは持っていた材料を鞄に戻し、花占いをしていた。
会える、会えない・・・・・
『坊ちゃん・・・リオンさん…』
「?戻って来たのか?」
頭から響いているような声にリオンは驚いた。
誰かが帰って来たのだろうか、そう思ってカイル達が行った方向を見たが、そこには誰も居なかった。
『怖がらなくても良いよ、こっちまで来て。』
「・・・幽霊にこの僕が騙されるとでも思っているのか?」
『幽霊じゃないよ!』
「じゃあ何だと言うんだ、言っておくが僕は相手をするほど暇だが、馬鹿じゃない。」
『ソーデイアン。そう言えば分かるでしょ?』
「ソーデイアン・・・?見え透いた嘘を。」
『嘘じゃないよ!本当だって。』
「だったら聞こう、何故剣が話すんだ。」
『あ~・・・知らなかったの?ソーデイアンは話せるんだ。』
「・・・信じれる保証は?」
『君暇なんでしょう?だったら僕を見つけてよ。』
「・・・僕に何のメリットがあるんだ・・・。」
『少なくとも、君の力を求める欲望にも近いそれは満たされると思うよ。』
「・・・満たされる・・・だと・・・・?」
『君に有るのは使命感と正義感と無力感だけだ。』
「・・・。」
『悪い様にはしないよ。ね?リオン君』
「・・・今僕は悪魔に身を委ねても止めたい人が居る・・・。」
『やる気になった?』
「ああ。場所を教えろ・・・。」
カット集。
「リオンおじさん!」
「・・・誰かと間違っていないか?」
「ごめんごめんお兄さんだよね」
「まあ・・・年的にはな。」
「ずっと思ってたことがあるの・・・」
『どうしたの?嬢ちゃん』
「私って、イラスト上ではスタイルが良いのに何で私よりもペッたんこのあいつが眼鏡を突っ込まれてるよ。」
「それは人徳の差ですわ。」
「なんですって!?」
「ルーテイさん!大変な物を発明してしまったんです!」
「何!?城をぶっ放す爆弾とか!?」
「人聞きの悪い。いいですか?名前は「上げて寄せて責めて」です。」
「ん?一体何を発明したってのよ。」
「Aカップの人がcカップ位に見える黄金の下着です!」
「お・・・黄金?」
「はい、金メッキによって運たらかんたら・・・・・・」
「成程ね、でもそれは作るだけで赤字になるわよ。」
「・・・・・・・・ルーテイさん、5万ガルドで買いませんか?」
「買わないわよ!!」