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人間が嫌いな未成年。 たまに2次創作3次創作を打ちます。 完全オリジナルも打つ時もあります。 このブログを見た貴方と縁があること祈って・・・。
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いま思いついた。から書いておこう。

登場人物。

柳川。

おっとりしているけど、脳裏で色々考えている人。
見てて危なっかしい人とか見ていると守ってあげたくなる人。
自分で見切りをつけたがる癖に結局ずるずると人に巻き込まれていくタイプ。

宮野。

自分の中で自分が何人もいるような子。
答えは一緒のはずなのに、そこにたどり着くまでに色んな感情を殺して自分で自分の首を絞めようとする人。
完全に依存症のタイプ。

お互いにお互いを大切にしたいと思っているから、言葉を選んでいるつもりなのに、お互いの価値観が全く違っているからお互いをお互いに首を絞め合ってる話。

答えは一緒なんだよ。どちらもただ一緒に居たいだけなんだよ。


続きから物語

「つまりさ、私ね。死ねないんだわ。」

宮野は私はじっとと見つめていた。
赤く染まった運動場に長く引かれたような影、すこし赤らんだ長い髪。
そして華奢で小柄なほっそりした体、少しの膨らみもないような胸の可愛らしい子。
私から見たら宮野の顔はいつもは神秘的できれいな子な筈なのに逆光の所為か表情が暗くみえて、少し怖かった。

「・・・どういうこと・・・?」

黙って宮野の顔を見ていると少し言葉を選んでか宮野は私から視線を外してつぶやいた。

「だからさ、私。自分が何者か分からないんだよ。だから死ねないの。」

正直何を言っているのかはさっぱり分からなかった。
でも今からでも泣いてしまいそうな宮野を見ていて私は適当に相槌を打った。

「そっか・・・。」

宮野のことを否定しても認めてもどうせ行きつく答えは変わらないんだろう。
そんなことを考えて私は宮野が真剣に相談する姿をある意味滑稽だと思って見た。
そういえば私と宮野は親友だって思っていた。でも違っていたのかもしれないと私は独り宮野を見ながら思った。

友達って何だろう。

宮野は独りずっと抱えてきた悩みを打ち明けているのに、私は正直それを聞きたくなかった。
でも友達ってそれを聴いて、打ち明けあって、相談し合って。それが普通なのではないだろうか。
それが漫画では友達だって書いてあった気がする。でも、実際は一緒に体験してきてもいない話を聞いたところで困るだけなのだ。

それに自分のことを好き好んで人に話す趣味など私は持ってなかった。
新しく友達が出来たら、その子とは新しい新鮮な態度で接し、決して過去は見せない。
それが今まで私の絶対、唯一のルールだった。

今から新しいルールを作ればいい。過去なんて結局は過去にすぎない。

そう思ってきたから宮野の態度に私は辛くなった。親身になって聞いてあげなくちゃいけない。
だって、それが親友なのだろう。宮野にとっての親友はそうなのだとしたら私は黙ってついていけばいい。

私の意見を宮野は聴いてなどいないのだ、宮野がそれに気づくまでは私が守ってあげよう。



赤く染まった顔に少し困ったような表情を見せる同級生に私は唐突なことを告げてみた。

「つまりさ、私。死ねないんだわ。」

赤らんだ運動場でセミロングの髪に、中肉中背のおっとりしたイメージの強い柳川を、私は静かにじっと見た。
私の影が柳川の鼻の頭の下の方から覆いかぶさって、大きい瞳がきらきら光ってまるでなんでも知っているような姿に見えた。が、私の期待に反し柳川は想像どうりの言葉を返してきた。

「・・・どういうこと・・・?」

柳川の困惑した様な表情の下にどこか、滑稽にしているような感情が見えてきて私は辛くなって目線を外した。そうでもしないと私の全部が柳川に伝わってしまうようで怖かった。

「だからさ、私。自分が何者か分からないんだよ。だから死ねないの。」

少し言い捨てる様に言葉を吐いた。自分で言っておいてあまり意味が分からなかった、私は恥ずかしくなって、伝わらないだろう言葉にむしゃくしゃして哀しくなった。柳川は少し言葉を選んで、一言相槌を返してきた。

「・・・そっか。」

まるで悟られたような言い草に私の感情は大きく揺さぶられた。

私は柳川を親友だと思っていたが、この反応はあまりにも私にとって適当にしか感じられなかった。
そして私は柳川は所詮この程度の人間だったのかと線を引いた。
が、柳川のことを嫌いになったわけではなくて、感情の高ぶりに耐えきれなくなってずっと溜まっていた言葉を柳川に打ち明けた。

ずっと誰にも打ち明けられなかった悩みを柳川に打ち明けている今だけ、柳川を独り占めしているような感覚に襲われた。
私は柳川とずっと一緒に居たいから自分の全てを知ってほしかった。そして、それと同時に柳川のことも全部知りたかった。
柳川をどこにもやりたくなかった。誰にも渡したくなかった。

だけど、柳川は私のことをそれ程までに好きではないようだった。

だからこうやって言葉で縛るしか方法がないのだと、確信していった。
私が弱いところを見せれば柳川はその傷を背負ってくれた。たとえ自分の身が朽ちていっても、私を守ってくれるのだろう。

友達って何だっけ。

私は高まる感情の中そう思った。

私は自虐することで柳川に傷を背負ってもらおうとしているだけなのかもしれない。
だけど、それでも私は柳川を離したくなかった。

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