人間が嫌いな未成年。
たまに2次創作3次創作を打ちます。
完全オリジナルも打つ時もあります。
このブログを見た貴方と縁があること祈って・・・。
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「ウソだろ・・・!!」
駅から徒歩40分のところにある、とんでもなく高いアパートの中。
俺は言葉に出来ない何かを叫ばずにはいられなかった。
「・・・マジかよ・・・。」
トイレやお風呂が完備されていなくても、たとえ駅から死ぬほど遠くても。
雨漏りや前の住人が自殺してしまったとしても。
たとえ家賃が法外レベルの高さでも
俺はこの部屋を借りたのは理由があった。
そう実はこの部屋あるいわくつきの部屋なのだ。
「やった・・・やった__!!!!」
俺はノートパソコンに表示されている新着メールの内容は、ある株式会社の株を買いませんか?という内容。
到着時刻は 2011年8月9日4時ジャストになっている。
現在の時刻は2011年8月9日13時を少し回ったところ
「これで・・・!!借金は0に戻った・・・!!!バンザーイ!!」
そうこの部屋はなんでも消してくれるのだ、借金でも、消し去りたい過去でも。
思わず万歳三唱までやってしまう自分に隣から抗議の壁叩きが俺を冷静にさせた。
「いつまでこんな厚いもの着てるんだ、俺は」
昨日寒くて寝られなかったせいか、上はジャンパー布団は毛布に毛布を重ねてと・・・とてつもないくらい厚着をしていたのだ。
俺は着ていた長袖のシャツを脱ぎ棄ててユニク●で買ったばかりのシャツに腕を通した。
今ある金が100万。
前金65万と月額19万円の家賃を考えたら残りは少ないがあの借金を考えたら地獄から天国。
部屋にあるのはノートパソコンに布団一式と千五百万円にもなる請求書の束とその他もろもろのごみやら服やら。
ノートパソコンと請求書さえ隠しえてしまえば俺は過去に借金をしたという事実が消える。
そうだ・・・押し入れにでも隠してしまおう・・・。
俺は襖を開けた。
「・・・」
俺は絶句した。
「なんだよこれ・・・聞いてないぞ・・・。」
襖一帖の奥に隠されていたのは俺の持っている請求書の量など鼻で笑ってしまうほどの。
多額の請求書だった。
まるで山のようになっている請求書を俺はひと掴みして額を確かめた。
「五百万・・・これは二千五百万・・・!?」
青ざめた俺を嘲笑うような額の請求書達。
俺は前の住人が自殺したという、大家の言葉を思い出した。
「前の人ね、これ言うと皆入らないから言わないんだけど自殺の理由がね、どうもね・・・やーさんが絡んでるって警察の人が言ってるんだよね。」
「この部屋インターネットで言われてるんだろう?消したいことが消えるって。だから家賃も前金も高くして僕らはそのおこぼれに預かってるんだけど、皆何を消しに来てるんだろうね。」
「いや・・・この部屋は消えてほしいものが消える部屋な筈・・・。この領収書は前の人たちが隠しただけで・・・借金自体は消えているはずなんだ・・・。」
俺はふとノートパソコンを見た電源を消した記憶がないが画面が真っ暗になっており
ノートパソコン本体の右半分が消えていた。
総額千五百万円になる領収書はただの紙へと変貌している。
「消えてるんだ・・・全部・・・借金もその存在全てが・・・。」
「じゃぁ・・・この領収書は・・・?」
一枚を手にとって額を確かめるとその紙面に書かれていたのは、自分のサインと
2011年8月8日
俺がこの部屋に入った日の日付が書かれていた。
「嘘だろ・・・俺の字で・・・何でこんなもんが・・・。」
ドンドンドン!!!
その音に背筋が凍る。
ゆっくりと扉に目を向けるといかにも柄が悪い奴らの声が聞こえてきた。
「_さーーーん、オタク、夜逃げまでして何をしてんすかーーーー。」
「_さんあんた、またウチに借りに来てでしょう、利息が凄い事になってるよ。」
「あんたの個人情報握ってるんだから逃げれると思うなよ。」
「やめてくれよ・・・なんのために・・・。」
突然体の奥から快楽が襲ってきた。
電気が走ったような衝撃と言葉にならない絶句を飲み込む。
俺は失禁していた。
「ははは・・・・はは・・・・。」
逃げなくちゃ
俺も消えなくちゃ
そうじゃなきゃ
このままじゃ
生き地獄じゃないか
「消えろ・・・・俺・・・・消えてくれ・・・お願いだから!!!!俺、消えてくれ!!!!!」
俺は自身の異変に気がついて手を見た。
透けていた。
「あ・・・・・あ・・・あ・・・」
消えてしまう
「いやだ・・・消えたくない・・・!!!」
手はほとんど消えてしまって腕まで透けてくる
「脚も・・・・消えてきた・・・!!!厭だ!!!何で俺が!!!俺が・・・!!」
本当に消えてしまう・・・存在が・・・!!!!
_____「君もここに消したいものがあるなら気をつけるんだよ?過去は変えられないし、消えたいものは決して消えないんだからね。いつか自分に返ってくるよ。まぁ部屋借りてもらうんだから、こんなこという義理なんてないんだけどね。」
大家に言われた一言を不意に思いだした。
そして、その記憶さえも消えた。
「」
あの大量の領収書もそして白紙になってしまった紙も。
ノートパソコンも
そして
俺自身も
「アンタ、訳ありそうだね。この部屋借りんのかい?前に住んでた奴は変死したよ?その前のやつは自殺してるよ?良いのかい?」
「嫌なこと全部消してくれるんだろう?」
またあの部屋が借りられる。
今日もネット上で話題のあの部屋は色んなものを消してくれる。
今日入居してきた青年の荷物はたった一つ。黒のナイロン袋が何重にも巻かれている、大きなダウンボールだった。
その中身は青年と部屋しか知らない。
駅から徒歩40分のところにある、とんでもなく高いアパートの中。
俺は言葉に出来ない何かを叫ばずにはいられなかった。
「・・・マジかよ・・・。」
トイレやお風呂が完備されていなくても、たとえ駅から死ぬほど遠くても。
雨漏りや前の住人が自殺してしまったとしても。
たとえ家賃が法外レベルの高さでも
俺はこの部屋を借りたのは理由があった。
そう実はこの部屋あるいわくつきの部屋なのだ。
「やった・・・やった__!!!!」
俺はノートパソコンに表示されている新着メールの内容は、ある株式会社の株を買いませんか?という内容。
到着時刻は 2011年8月9日4時ジャストになっている。
現在の時刻は2011年8月9日13時を少し回ったところ
「これで・・・!!借金は0に戻った・・・!!!バンザーイ!!」
そうこの部屋はなんでも消してくれるのだ、借金でも、消し去りたい過去でも。
思わず万歳三唱までやってしまう自分に隣から抗議の壁叩きが俺を冷静にさせた。
「いつまでこんな厚いもの着てるんだ、俺は」
昨日寒くて寝られなかったせいか、上はジャンパー布団は毛布に毛布を重ねてと・・・とてつもないくらい厚着をしていたのだ。
俺は着ていた長袖のシャツを脱ぎ棄ててユニク●で買ったばかりのシャツに腕を通した。
今ある金が100万。
前金65万と月額19万円の家賃を考えたら残りは少ないがあの借金を考えたら地獄から天国。
部屋にあるのはノートパソコンに布団一式と千五百万円にもなる請求書の束とその他もろもろのごみやら服やら。
ノートパソコンと請求書さえ隠しえてしまえば俺は過去に借金をしたという事実が消える。
そうだ・・・押し入れにでも隠してしまおう・・・。
俺は襖を開けた。
「・・・」
俺は絶句した。
「なんだよこれ・・・聞いてないぞ・・・。」
襖一帖の奥に隠されていたのは俺の持っている請求書の量など鼻で笑ってしまうほどの。
多額の請求書だった。
まるで山のようになっている請求書を俺はひと掴みして額を確かめた。
「五百万・・・これは二千五百万・・・!?」
青ざめた俺を嘲笑うような額の請求書達。
俺は前の住人が自殺したという、大家の言葉を思い出した。
「前の人ね、これ言うと皆入らないから言わないんだけど自殺の理由がね、どうもね・・・やーさんが絡んでるって警察の人が言ってるんだよね。」
「この部屋インターネットで言われてるんだろう?消したいことが消えるって。だから家賃も前金も高くして僕らはそのおこぼれに預かってるんだけど、皆何を消しに来てるんだろうね。」
「いや・・・この部屋は消えてほしいものが消える部屋な筈・・・。この領収書は前の人たちが隠しただけで・・・借金自体は消えているはずなんだ・・・。」
俺はふとノートパソコンを見た電源を消した記憶がないが画面が真っ暗になっており
ノートパソコン本体の右半分が消えていた。
総額千五百万円になる領収書はただの紙へと変貌している。
「消えてるんだ・・・全部・・・借金もその存在全てが・・・。」
「じゃぁ・・・この領収書は・・・?」
一枚を手にとって額を確かめるとその紙面に書かれていたのは、自分のサインと
2011年8月8日
俺がこの部屋に入った日の日付が書かれていた。
「嘘だろ・・・俺の字で・・・何でこんなもんが・・・。」
ドンドンドン!!!
その音に背筋が凍る。
ゆっくりと扉に目を向けるといかにも柄が悪い奴らの声が聞こえてきた。
「_さーーーん、オタク、夜逃げまでして何をしてんすかーーーー。」
「_さんあんた、またウチに借りに来てでしょう、利息が凄い事になってるよ。」
「あんたの個人情報握ってるんだから逃げれると思うなよ。」
「やめてくれよ・・・なんのために・・・。」
突然体の奥から快楽が襲ってきた。
電気が走ったような衝撃と言葉にならない絶句を飲み込む。
俺は失禁していた。
「ははは・・・・はは・・・・。」
逃げなくちゃ
俺も消えなくちゃ
そうじゃなきゃ
このままじゃ
生き地獄じゃないか
「消えろ・・・・俺・・・・消えてくれ・・・お願いだから!!!!俺、消えてくれ!!!!!」
俺は自身の異変に気がついて手を見た。
透けていた。
「あ・・・・・あ・・・あ・・・」
消えてしまう
「いやだ・・・消えたくない・・・!!!」
手はほとんど消えてしまって腕まで透けてくる
「脚も・・・・消えてきた・・・!!!厭だ!!!何で俺が!!!俺が・・・!!」
本当に消えてしまう・・・存在が・・・!!!!
_____「君もここに消したいものがあるなら気をつけるんだよ?過去は変えられないし、消えたいものは決して消えないんだからね。いつか自分に返ってくるよ。まぁ部屋借りてもらうんだから、こんなこという義理なんてないんだけどね。」
大家に言われた一言を不意に思いだした。
そして、その記憶さえも消えた。
「」
あの大量の領収書もそして白紙になってしまった紙も。
ノートパソコンも
そして
俺自身も
「アンタ、訳ありそうだね。この部屋借りんのかい?前に住んでた奴は変死したよ?その前のやつは自殺してるよ?良いのかい?」
「嫌なこと全部消してくれるんだろう?」
またあの部屋が借りられる。
今日もネット上で話題のあの部屋は色んなものを消してくれる。
今日入居してきた青年の荷物はたった一つ。黒のナイロン袋が何重にも巻かれている、大きなダウンボールだった。
その中身は青年と部屋しか知らない。
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駅か2~3分ほどのところにある喫茶店に向かって私は歩いていた。
第一志望校に合格した私は前から興味のあった「カガミ 京子」と呼ばれる占い師に見てもらうことにしたのだ。
その占い師はメディアでも取り上げられるくらいの大人気で、十中八九あたると名高い。
実は半年待ちで、志望校のことについて聞こうと思っていたのだが
占いよりも先に結果が来てしまったので私はこれからの学園生活について2,3聞こうと考えていた。
友達だとか、彼氏だとか。
自分の運命の分かれ道だとか。
聞こうと思うことは山ほどある。
「カガミ 京子」が借りている喫茶店の一角を私は遠くから見た。
出来るだけ京子よりも遠い席についてコーヒーをたんだ。
京子の一角では、一人の男性がその席について「カガミ 京子」と思われる人物と何かを話していた。
周りにいる仲間と思われる人々は真っ青な顔つきだ。
ごくん
その中の誰かが生唾でも飲み込んだのだろう。
喫茶店の中がシーンと静まった。普段なら気にしない私でも思わず気になってしまうほどの大きな音だった。
その瞬間だった。
席に着いていた男性は奇声にも近い声を張り上げこの世の言葉とは思えぬ言葉を並びたてて
喫茶店を飛び出していった。
「うわ、本当にいるんだ。」
喫茶店の席に座っていた女性の一人がもう一人の女性に向けて言葉を発していた。
「うん、やっぱり当り過ぎるって問題あるよね。」
「この間ネットで自殺した人がいるって。」
「えー・・・それって問題になったりしないのかな?」
「京子がもみつぶしてたりしてww」
2人が苦笑しながらもお茶を楽しんでいた。
冗談半分に言っているのだろう。
だが、私は横目で見ている京子がまるで獣の様な眼になっていることに恐怖を抱いていた。
「次の方いらっしゃいますか?」
少ししゃくれた女性の声が喫茶店の中で響いた。
まだ来ないコーヒーが若干気になりつつも、私は立ちあがろうとテーブルに力に入れた。
が、まるでテーブルが離れないでと腕を掴んでいるかのように私は動けなかった。
「いらっしゃいませんか?」
少しイライラした京子の声が聞こえて私は焦って答えた。
「あ、すいません。私です。」
私の顔を見た複数の人達はひそりと何かを話しているようだった。
私は一瞬理解できずに首をかしげたが、さっきの男性のこともあるのだろうと解釈した。
だが、テーブルはしっかりと私を掴んでくれて私は立ち上がれなかった。
横目で見た京子の顔が早く来いと言っていて私は焦って席を立った。
立ち上がれたことに感謝し、喫茶店の奥へ足を踏み入れた時だった。
誰かがおそらくこう叫んだ。
「右を向くな!!」
私は一瞬混乱して右の方を横目で確認しようとした時だった。
喫茶店の奥から何かが飛び出してきた、私は考える前に体を守るために腕を体の前に構えた。
何とも言えないがれきの音が響き、砂埃が舞い上がる。
店の中がさっきの生唾とは比にならない位に静まり返った。
店の外では野次馬がたかりだし、携帯のカメラの音が耳に残る。
そんな壮絶な環境の中私は先ほどまで向かおうとしていた、一点を見つめていた。
喫茶店の奥の一角。「カガミ 京子」が借り切った占いをするためのスペース。
そこにはがれきの山と化していた。
「うわ!!京子死んだんじゃねーか!?」
「いやだ!!あそこ・・・!!」
私はその指にしたがって目線を下に泳がした。
埃で白く濁った高価な指輪。視聴者に見せつける様にいつもつけていた悪趣味なブレスレット。
まがまがしい赤で彩られた指にそれにつながる手が瓦礫の隙間から覗いていた。
それはピクリとも動かない。
何分経ったのだろう。
私は気がつくと救急隊員のかけてくれた毛布の中で意識が泳いでいた。
遠くで聞こえる声になつかしみを覚えてその声に耳を立てた。
「おい、突っ込んだの、京子が占った客だったんだってよ。」
「え!?嘘でしょう?京子恨まれたってこと?」
「占い師のくせに自分のことは分かんなかったんだな。」
その数日後「カガミ 京子」は復活した。
奇跡的な生還をしたと報道される京子の顔はあの時見た京子の顔ではなかった。
そう言えばあの時から私は右を行動と関係なく向くのをやめた。
右を振り向いた瞬間あの光景を思い出すからだ。
「右を向くな!!」
あれは今思うと京子の声だった。
さらに、実はその瞬間私は右を向いたのだ。
そこには私に向かってナイフをかかげた男がいた。
その顔はまぎれもなく、あの奇声をあげて飛び出していった男だった。
思えば京子は男が敵意を私に向けるよりも早く、
そして京子のいた位置から男の顔が見える前の一言だったのだ。
テレビで報道される
京子占い失敗 という大きな文字を見て私は苦笑した。
テレビに出ている京子の右ほほに大きく残る傷は、まるでナイフにでも傷つけられたかのような傷だった。
第一志望校に合格した私は前から興味のあった「カガミ 京子」と呼ばれる占い師に見てもらうことにしたのだ。
その占い師はメディアでも取り上げられるくらいの大人気で、十中八九あたると名高い。
実は半年待ちで、志望校のことについて聞こうと思っていたのだが
占いよりも先に結果が来てしまったので私はこれからの学園生活について2,3聞こうと考えていた。
友達だとか、彼氏だとか。
自分の運命の分かれ道だとか。
聞こうと思うことは山ほどある。
「カガミ 京子」が借りている喫茶店の一角を私は遠くから見た。
出来るだけ京子よりも遠い席についてコーヒーをたんだ。
京子の一角では、一人の男性がその席について「カガミ 京子」と思われる人物と何かを話していた。
周りにいる仲間と思われる人々は真っ青な顔つきだ。
ごくん
その中の誰かが生唾でも飲み込んだのだろう。
喫茶店の中がシーンと静まった。普段なら気にしない私でも思わず気になってしまうほどの大きな音だった。
その瞬間だった。
席に着いていた男性は奇声にも近い声を張り上げこの世の言葉とは思えぬ言葉を並びたてて
喫茶店を飛び出していった。
「うわ、本当にいるんだ。」
喫茶店の席に座っていた女性の一人がもう一人の女性に向けて言葉を発していた。
「うん、やっぱり当り過ぎるって問題あるよね。」
「この間ネットで自殺した人がいるって。」
「えー・・・それって問題になったりしないのかな?」
「京子がもみつぶしてたりしてww」
2人が苦笑しながらもお茶を楽しんでいた。
冗談半分に言っているのだろう。
だが、私は横目で見ている京子がまるで獣の様な眼になっていることに恐怖を抱いていた。
「次の方いらっしゃいますか?」
少ししゃくれた女性の声が喫茶店の中で響いた。
まだ来ないコーヒーが若干気になりつつも、私は立ちあがろうとテーブルに力に入れた。
が、まるでテーブルが離れないでと腕を掴んでいるかのように私は動けなかった。
「いらっしゃいませんか?」
少しイライラした京子の声が聞こえて私は焦って答えた。
「あ、すいません。私です。」
私の顔を見た複数の人達はひそりと何かを話しているようだった。
私は一瞬理解できずに首をかしげたが、さっきの男性のこともあるのだろうと解釈した。
だが、テーブルはしっかりと私を掴んでくれて私は立ち上がれなかった。
横目で見た京子の顔が早く来いと言っていて私は焦って席を立った。
立ち上がれたことに感謝し、喫茶店の奥へ足を踏み入れた時だった。
誰かがおそらくこう叫んだ。
「右を向くな!!」
私は一瞬混乱して右の方を横目で確認しようとした時だった。
喫茶店の奥から何かが飛び出してきた、私は考える前に体を守るために腕を体の前に構えた。
何とも言えないがれきの音が響き、砂埃が舞い上がる。
店の中がさっきの生唾とは比にならない位に静まり返った。
店の外では野次馬がたかりだし、携帯のカメラの音が耳に残る。
そんな壮絶な環境の中私は先ほどまで向かおうとしていた、一点を見つめていた。
喫茶店の奥の一角。「カガミ 京子」が借り切った占いをするためのスペース。
そこにはがれきの山と化していた。
「うわ!!京子死んだんじゃねーか!?」
「いやだ!!あそこ・・・!!」
私はその指にしたがって目線を下に泳がした。
埃で白く濁った高価な指輪。視聴者に見せつける様にいつもつけていた悪趣味なブレスレット。
まがまがしい赤で彩られた指にそれにつながる手が瓦礫の隙間から覗いていた。
それはピクリとも動かない。
何分経ったのだろう。
私は気がつくと救急隊員のかけてくれた毛布の中で意識が泳いでいた。
遠くで聞こえる声になつかしみを覚えてその声に耳を立てた。
「おい、突っ込んだの、京子が占った客だったんだってよ。」
「え!?嘘でしょう?京子恨まれたってこと?」
「占い師のくせに自分のことは分かんなかったんだな。」
その数日後「カガミ 京子」は復活した。
奇跡的な生還をしたと報道される京子の顔はあの時見た京子の顔ではなかった。
そう言えばあの時から私は右を行動と関係なく向くのをやめた。
右を振り向いた瞬間あの光景を思い出すからだ。
「右を向くな!!」
あれは今思うと京子の声だった。
さらに、実はその瞬間私は右を向いたのだ。
そこには私に向かってナイフをかかげた男がいた。
その顔はまぎれもなく、あの奇声をあげて飛び出していった男だった。
思えば京子は男が敵意を私に向けるよりも早く、
そして京子のいた位置から男の顔が見える前の一言だったのだ。
テレビで報道される
京子占い失敗 という大きな文字を見て私は苦笑した。
テレビに出ている京子の右ほほに大きく残る傷は、まるでナイフにでも傷つけられたかのような傷だった。
夏の暑い日だった。たまたま着けたテレビは僕の家の近所を映し出していた。
___昨日未明男子中学生が誘拐されるという事件が___
__今も警察による検索が__
____県立中学の__
______ということです。
テレビを消して僕は最近手に入れた最近のソレの機嫌を取りに行くことにした。
僕の肩は右下がりな方だ。
周りから見たらおそらく猫背な方だ。
さらに言えば僕は才能という奴に縁がない奴だ。
例えば僕の隣にあるのは才能あふれる奴が欲しくてたまらない最新のソレ
金の縁はあるらしい僕のやることは最新のソレを集めて才能がある奴と同レベルのところまで行くことだ。
もちろん、いけたことなどない。
最新のソレは僕をよく見下して嘲笑う。
僕が動けと言っても動かない最新のソレはどれだけ金を積んでも僕に興味を示さない。
僕はまた最新のソレが出回らない かな と僕はぼんやりと最新のソレを見る。
動きもしなければ返事もしないソレはまるで道具の様だ。
だが、道具と言ってしまえば道具なのから仕方ない。
僕はそれに名前をつけることにした。
「菊山」
少し反応する最近のソレは人を食らったところを見たような顔で僕を見た。
「ギター ピアノ なんでも出来るんだろう?菊山君。」
蚊の鳴くような声で小さい返事が聞こえる。
最近のソレを持った菊山君。
___嗚呼疎ましい。
___昨日未明男子中学生が誘拐されるという事件が___
__今も警察による検索が__
____県立中学の__
______ということです。
テレビを消して僕は最近手に入れた最近のソレの機嫌を取りに行くことにした。
僕の肩は右下がりな方だ。
周りから見たらおそらく猫背な方だ。
さらに言えば僕は才能という奴に縁がない奴だ。
例えば僕の隣にあるのは才能あふれる奴が欲しくてたまらない最新のソレ
金の縁はあるらしい僕のやることは最新のソレを集めて才能がある奴と同レベルのところまで行くことだ。
もちろん、いけたことなどない。
最新のソレは僕をよく見下して嘲笑う。
僕が動けと言っても動かない最新のソレはどれだけ金を積んでも僕に興味を示さない。
僕はまた最新のソレが出回らない かな と僕はぼんやりと最新のソレを見る。
動きもしなければ返事もしないソレはまるで道具の様だ。
だが、道具と言ってしまえば道具なのから仕方ない。
僕はそれに名前をつけることにした。
「菊山」
少し反応する最近のソレは人を食らったところを見たような顔で僕を見た。
「ギター ピアノ なんでも出来るんだろう?菊山君。」
蚊の鳴くような声で小さい返事が聞こえる。
最近のソレを持った菊山君。
___嗚呼疎ましい。
どこかで声がする。
意識が朦朧とする中、思い切って振り向くと和服に身を包んだ13,4かと思うころの可憐な少女。
辺りは廃墟。このあたりに子供が入り込む隙間なんてあっただろうか?
廃墟と比べて申し訳ないほど高価な着物に体には不釣り合いな機関銃。
その道のプロが見たら失神するかもしれない。
頭にはガスマスクなどを乗せてまるで兵士の様な少女を僕は口をぽかんとあけて見ていた。
何か話さないか。
この少女を説明してくれるような一言があったなら僕はこの痛みすらも消えてしまうだろう。
えぐり取られたと思われる臓物が僕の目の隅の方で赤黒く変色しているのを見た。
僕はもう長くないと僕自身の臓物が語る。
少女が可憐な姿からは想像できない笑みを見せる。
この子に殺されるのなら僕はこの戦場のことを全て忘れて楽になれる気がした。
僕は身勝手な願いを13,4の少女にぶつけた。
「生きたい。」
それは言葉にもなっていない音だった。それでも少女は満足げに機関銃を僕に構えた。
その記憶はここで途切れている
すたれた街のすたれた家の中では、僕の葬式と泣き喚く醜い女たちと難しい顔をした男たちが、僕を囲んで花を手向ける。
一人が遅れてきた、何が起きているのか理解できないらしい。
近くにいた13、4になる高貴な着物に身を包んだ可憐な少女は、ガスマスクなどを頭になどに乗せて、体とは不釣り合いな機関銃持ち、不思議な表情で笑いこう言った。
「お亡くなりになられたようですよ。」
僕は廃れた街の廃れた家の窓で立ちすくんで一言つぶやいた。
「僕は誰だ?」
また少女が不思議な笑みを浮かべ僕の方を向いて答えた。
「ああ、今お亡くなりになられたようです。」
意識が朦朧とする中、思い切って振り向くと和服に身を包んだ13,4かと思うころの可憐な少女。
辺りは廃墟。このあたりに子供が入り込む隙間なんてあっただろうか?
廃墟と比べて申し訳ないほど高価な着物に体には不釣り合いな機関銃。
その道のプロが見たら失神するかもしれない。
頭にはガスマスクなどを乗せてまるで兵士の様な少女を僕は口をぽかんとあけて見ていた。
何か話さないか。
この少女を説明してくれるような一言があったなら僕はこの痛みすらも消えてしまうだろう。
えぐり取られたと思われる臓物が僕の目の隅の方で赤黒く変色しているのを見た。
僕はもう長くないと僕自身の臓物が語る。
少女が可憐な姿からは想像できない笑みを見せる。
この子に殺されるのなら僕はこの戦場のことを全て忘れて楽になれる気がした。
僕は身勝手な願いを13,4の少女にぶつけた。
「生きたい。」
それは言葉にもなっていない音だった。それでも少女は満足げに機関銃を僕に構えた。
その記憶はここで途切れている
すたれた街のすたれた家の中では、僕の葬式と泣き喚く醜い女たちと難しい顔をした男たちが、僕を囲んで花を手向ける。
一人が遅れてきた、何が起きているのか理解できないらしい。
近くにいた13、4になる高貴な着物に身を包んだ可憐な少女は、ガスマスクなどを頭になどに乗せて、体とは不釣り合いな機関銃持ち、不思議な表情で笑いこう言った。
「お亡くなりになられたようですよ。」
僕は廃れた街の廃れた家の窓で立ちすくんで一言つぶやいた。
「僕は誰だ?」
また少女が不思議な笑みを浮かべ僕の方を向いて答えた。
「ああ、今お亡くなりになられたようです。」