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人間が嫌いな未成年。 たまに2次創作3次創作を打ちます。 完全オリジナルも打つ時もあります。 このブログを見た貴方と縁があること祈って・・・。
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人魚は哀しげに唄い出す。

それが人魚の運命なのかとそれが自らの罪なのかと。


「おはよう。」

人魚姫。
そう呼ぶのはこの城では王子だけだった。
人魚は挨拶にとキスを王子の頬に軽く落とす。

王子は人魚の朝ごはんをメイドに運ばせて、人魚の髪を櫛で梳いていった。

人に髪を梳いてもらうのは何処かくすぐったい。
メイドに手伝って貰いながら服を着替える。

王子と一緒に朝食をとると、メイドがそれを食器を運んでいく。

「マナーも覚えんたんだね。」

人魚は軽くうなずいた。
最初のころはスプーンやらフォークやら・・・使い道が分からずに手づかみで食事をとってしまっていた。
さすがにそれはまずいと、マナーの先生の指揮の元やっと基本を覚えたのだ。

まだスープの飲み方が難しくて時々くじけそうになるが、王子は優しく教えてくれるのだった。

「今日は船で大切なパーテイが有るんだ、君も出席してくれるよね・・・?」
「・・・。」

良いのだろうか。
私の疑いの目はまだ溶けていない。そんな中に入って行ってしまっていいのだろうか?

「人魚姫の疑いは殆んど晴れたし、誰も文句は言えないよ。」

人魚は軽くうなずき王子の返答をまった。
王子は嬉しそうに笑って、手をたたいた。

すると数名のメイドたちが入ってきてドレスを広げる。

「・・・?」
「君のドレスさ、一度着てみなよ。」

言われるままに人魚はメイドたちに服を着替えさせられていく。
王子は黙って後ろを向いているが、執事は相変わらずノックもせず入ってきて人魚の着替えに目を向けているのだった。

10分くらいたっただろうか?
きらびやかな衣装に身を包んだ人魚の姿が有った。

「とても良いドレスですね。」
「ああ良く人魚姫にあって居る。」

人魚はその言葉に顔を赤らめて静かにうなずいた。

外では何やら騒動でもあったのか召使いたちが騒いでいた。
それに王子が近くに居たメイドに聞いてみる。すると慌てた様子でこう答えた
”騎士の格好をした男が城に侵入した”
と、執事やメイドたちはすぐさま部屋を出て行ってそれの確認に走った。

「執事もあれくらい何時も真面目なら嬉しいのですがね。」

人魚は苦笑する。
しばらくして王子が様子を見てくると部屋を出て行った。

コツ・・・・。

窓から何やら音がするので見てみるとそこに居たのは、騎士だった。

「姫様・・・・。」
「・・・。」

騎士は窓を破って部屋に入ってくる。
ブラウスにズボン軽く鎧を身にまとった騎士の姿に人魚は驚きを隠せなかった。

騎士は黙って人魚を抱きしめると唇を奪う。
人魚は騎士の胸を押してその行為を止めさせる。

「・・・姫様・・・?」

人魚は下を向いたまま目からあふれてくる涙をぬぐうので必死だった。
折角騎士がここまで来てくれたのだ、笑って迎えてあげなければいけない・・・。
それなのに涙は止まることを知らない。

ボロボロ・・・。

目をこすり過ぎて目の周りが痛くなる。

「もう大丈夫です。」

一体何を根拠に・・・?そう聞きたくても人魚の口から言葉は出てこない。
騎士はさっきよりも優しく微笑んだ。

「私が貴女を幸せにします。」

人魚を優しく抱きしめる
騎士はドアの向こうに居るであろう執事に気が付いていた。

がちゃ・・・。

「貴様はノックを知らないのか?」
「これはこれは失礼しました騎士様?」

騎士は顔を苦くし執事は涼しげに壁にもたれかかっていた。

「貴方が侵入者ですか?ずい分そこの娘と仲がよろしいようで・・・。」

執事は人魚に目をやる。

「これは私が勝手にしたことだ、姫様には関係無い。」
「それは困るな、その子には死んでもらわないといけませんからね。」

執事はまた薄気味悪い笑みを浮かべて人魚を見た。

「貴様が重ねた姫様への侮辱の数々は知っている・・・!!」
「怖いですね。そんな殺気むき出しでどうするんですか?」

人魚は騎士の服を引っ張ってそれを止めされる。
それに騎士は気が済まないと、人魚の手を振り払って執事に向かって剣を抜こうとしている。

「それで私の勝つ気ですか?」

執事が隠しポケットに隠し持っていた拳銃を出そうとした時に王子が帰ってきた。

騎士は蹴り破った窓からもう一度庭へとおり姿を眩ませた。

「何があった・・・?」

王子が割れた窓を見てそう言った。
床に散らばった色ガラスに目を泳がせた後執事の方を向く。

「少し前に侵入者が入り込んでいたのですよ、まあ撤退しましたが。」
「・・・なんだと!?」

王子は大慌てで窓に目をやる。
だが、すでに騎士の姿は無く入ってきた際に使用したと思われる紐が切れているだけだった。
人魚も無事だったから良かったものの、危なかったと王子は自分を責めた。

「人魚姫・・・私が離れていたばかりに・・・危ない目に合わせてしまった・・・。申し訳ない。」

人魚は笑って大丈夫だと王子の額にキスを落とした。

大丈夫だと自分を責めなくても良いと・・・。
そう心をこめてキスを頬に軽くした。

”貴方にまた会うことが出来ました・・・。騎士様。この世ではもう会えないと思っていましたが・・・。”


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