人間が嫌いな未成年。
たまに2次創作3次創作を打ちます。
完全オリジナルも打つ時もあります。
このブログを見た貴方と縁があること祈って・・・。
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この細い腕では貴女を護ることは出来ない。
それでも貴方が笑っているなら・・・。
人魚は人々が忙しく船に料理を運んでいるところを見ていた。
王子は部屋に入って正装に着替えている。
侵入者が入ったのにも関わらず、パーテイは取りやめには出来ないらしい。
何でも遠くから来た貴族達がそろっているかららしい。
何でも隣国の姫も来るとかで、城は城下も含めとても活気にあふれた。
「待たせたかな?」
人魚は苦笑した。
特に意味が有るわけではないが、周りのメイドたちの目線が明らかにさっきより違ったからだ。
何時もきれいな服を着ているとは言っても、正装のうつくしい生地と身体のラインを美しく出すデザイン。
纏められた髪形。
これで女性が振り向かなかったらその女性は余程のナルシストである。
「まだちょっと早いけど中に入ろうか。」
人魚は静かに頷く。
王子はとても心配しているのだ、あまり心配させては傷に響くだろう。
老婆が言った人間には出来ないと言うのは並の人間にはあの薬は強すぎるために、
触るだけで炎症やアレルギー反応が出来るからだ。
弱っている人間の寿命を無理やりに伸ばす様な薬、もちろん副作用もある。
怪我は治っても血が増えるわけではないので貧血になりやすいのだ。
また、無理やりに寿命を延ばす薬なので寿命が減ってしまう可能性もあると言う。
これは老婆が言っていた言葉ではなく。
人魚の知識から出た答えである。
塗りだして約3週間になるほぼ完治したと言っても良いだろう。
人魚は騎士が心残りだったが、死んだ噂は流れてきていないので何処かで逃げていると考えるのが良いだろう。
「・・・ずい分活気にあふれているな・・・。」
この街の異様な活気に引かれるようにやってきた。
あのまま城に居れば確実に侵入者として捕らえられ今頃は地下室で寝ていただろう。
「なんだ?お前さん知らないのかい?」
「・・・?何がだ?」
「今日の事さ」
今日?一体何が有ると言うのだろう・・・?
騎士が耳を傾けるとおばさんは少し渋りながら教えてくれた。
「何でも王子様が結婚の発表をされるとか・・・全くお陰で嫌味な貴族につかまってこっちは大変さ」
「結婚・・・。」
騎士は船に目を向けた。
椅子に座ったみたことのあるドレスを着た人魚を見つけた。
この船でパーテイが開催されるのかと、騎士は手に持っていた紐で髪を纏めた。
「さあ、あの子をどうやって始末しましょうかね?」
執事は銃に弾を詰め直した。
それを空に向かって構える、右手の人差指に力を入れる。
カチ・・・!
「空砲ですか・・・。」
私にも叶えたいことが有る。
例えその障害が何であろうとも切り捨てる覚悟は出来た。
「綺麗に散ってくださいよ?人魚姫様。」
隠しポケットに銃をしまい。執事服に付いたほこりをはたいた。
「これ聞きます?」
王子が出したのはフルート。
それを器用に音を出して、人魚が何時も歌っていた歌を噴いていく。
声が出せないと知って居ても人魚は口を動かした。
とても懐かしい曲。私のたった一つの取り柄だった曲。
「♪~」
「!!」
王子のフルートが止まると同時に王子が目を見開いて口をポカンと開けている。
人魚は最初意味が分から無かったが、王子が今歌っていたと人魚に告げた。
「王子様・・・!!」
「良かった!!話せるようになったんだね!!」
王子は嬉しさのあまりに人魚を抱きしめた。
「嬉しいよ!」
「・・・はい。」
喜んでいいのだろうか・・・。
私は人間になるときに副作用の様なものだと思っていたが・・・。
怖い・・・。そう思われずには居られなかった。
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