人間が嫌いな未成年。
たまに2次創作3次創作を打ちます。
完全オリジナルも打つ時もあります。
このブログを見た貴方と縁があること祈って・・・。
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傷ついても貴方が護れるなら
腕の一本無くても私は幸せだ
「皆さま良く御集りになられました!」
船の中で声が響く。
人魚は出るようになった声で王子に祝福の歌を歌った後。
船の隅で静かに座って居た。
「王子様!私と踊ってくださいませんか!」
「姫様・・・私でなくても相手はいるでしょう・・・。」
「王子様が良いのです!」
「ですが・・・。」
「良いではありませんか婚約をし、貴方の妻となるのですから。」
自愛姫は人魚を見てそう静かに言った。
微笑を浮かべて羨ましいでしょ?とでも言いたげに。
「・・・。」
王子は人魚の方を見て何か考えているようだ。
人魚は邪魔をしては悪いと海が見たいと近くに居た召使いに命じる。
すると車椅子を動かして甲板にまで連れてきてくれた。
「~♪」
「姫様。」
横を向くとそこに居たのは騎士だった。
朝見たときよりはずい分貧相な格好をしている。
人魚が驚いた顔をしていると、簡単な説明を人魚にした。
港の人間から聞いて人魚の姿を見たとかで、また侵入してきたらしい。
人魚が気になって居たのはそれよりも騎士の姿だった。
「騎士様・・・何故人間の姿に・・・。」
「・・・姫様の為に人間に戻りました。」
「戻る・・・?」
「・・・私は。」
バアン!!!!!
火薬のにおいが鼻をくすぐる。
そこに居たのは銃口を向けた執事だった。
静かに一歩一歩と近づいてくる、ここは甲板だ逃げる場所はどこにもない。
ましてや人魚は歩けない。
「ここに居たんですね?私の娘は・・・。」
「貴様は礼儀を知らんようだな。」
「残念ながら面倒なのことは後で考えるものですから。」
「考え方を改めた方が良いと思うがな。」
「ええ、考えときます。」
騎士は隠し持っていたナイフを取り出した。
執事は銃を人魚の方に向けているが動こうとはしない。
「騎士様・・・引いてください。執事様狙っているのは私の命でしょう・・・?」
「良くわかりましたね?さすが私の娘です。」
執事は薄気味悪い笑い声を出して、銃口を静かに騎士の方へむけた。
目を細めて静かに笑い出す。
「邪魔されなければここは見逃してあげますよ?騎士様」
「貴様私を侮辱する気か!!」
「まさかこの国で貴方の名前を知らぬ輩などいませんよ。」
その言葉に騎士は持っていたナイフを執事に向けた。
だが、執事は笑っているだけで何もしようとはしない。
しばらくして騎士が持っていたナイフを海に投げた。
ナイフは静かに海に沈んでいく。
「何処かに行け執事。」
「私は娘にようが有ったのですが?」
「そこで手みじかに話せ」
執事は人魚の方を向いて静かにこう告げた。
”最後の晩餐です、人魚姫様。”
え・・・?
とたとたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたたた
なんて身の軽い美しい少女だろう・・・。綺麗な金髪に整った柔らかな髪の毛。
肌の白さと赤い唇。
残念なのはとても怨んでいるように私を睨みつけていること。
どおおおおん!
その瞬間に人魚の体は海に投げ出される。
人魚の体は一瞬宙を舞い、海に叩きつけられた。
「姫様!!」
騎士は上着を脱いで海に飛び込もうとした時、先に王子が海に飛び込んだ。
「!!やはり人間ではありませんでしたか・・・。王子様見なさい貴方の愛した女性だ。」
人魚の姿は人間とは程遠く。
美しい髪はうろこの一部となり、可憐な目は人間と同じ目とは思えない。
王子の腕にいた筈の女性はすでに魚の化け物と化していた。
「姫・・・?」
「見ないで・・・・・・見ないで・・・・・・。」
あんなに美しく聞こえた声も今は酷くしゃくれた声に聞こえる。
王子は抱きしめた手を離した。人魚は王子の服を掴んだがそれを王子が拒む。
人魚は泳げぬ為に沈んでいった。
執事が船の上からロープを投げた。それに王子は掴む。
上がってきたとき王子は身体をこすり人魚姫はどこだと探し始めるのだった。
「君はどうするんだ?姫様を追ってここまで来たのでしょう?」
「・・・。私はすでに神の怒りに触れ長くは無い。」
「へえ、陸を嫌ったあんたが今になって分かる気がしますよ。」
騎士は目を細めて船から飛び込んだ。
「どこに行くのかな、騎士様は」
10年後。
「お父様!今日も人魚姫のお話をしてください!」
「昔々人魚の王国が有りました。
そこにとても美しい声をしたお姫様が居ました。
一番末っ子の人魚姫はとても美しく、水面に上がることを今か今かと待ちわびていました・・・。
・・・
人魚姫は朝日が昇ると同時に海に飛び込み海の泡となりました。」
「哀しいお話ですねお父様・・・。」
「ああ・・・・本当にな」
「王子様、シスターが見えていますよ。」
「はい!」
今日も海の海底では美しい声をした人魚姫が歌い続けると言う。
だが、その姿を見た者はだれも居ない。
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