人間が嫌いな未成年。
たまに2次創作3次創作を打ちます。
完全オリジナルも打つ時もあります。
このブログを見た貴方と縁があること祈って・・・。
×
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ソレは僕が生き残るためのすべだった。
薄汚れた制服に買ったばかりのはずのズズ汚れた靴。
切り刻まれた教科書と見るたびに苦しくなる、ごみが詰められた筆箱。
僕が体操服を着ると誰かが笑う声がした。背中に書かれた文字に皆が指をさした。
高校2年生になった僕は帰宅しようと環状線の電車に脚を踏み入れた。
___申し訳ありません。
人身事故により。現在____
もう40分も止まったままの電車の中で僕はジッと一点を見つめていた。
女性が熱そうに苦しんでいる顔だ。
「すいません・・・・出ます。」
その声にハッとしてまた、その女性が電車から出て行くのを見ていた。
僕もこの電車から出て行こうかと考えていると、僕を通り越してまた一人電車を降りて行った。
そうなると自分で出ていける勇気がなかった。
僕は座り込んでしまいたいのを必死で我慢しながら、背中を壁際に持っていける様に少しずつ移動した。
密集されたこの空間の中で吐いてしまいそうだった。
僕が一人くらい座り込んだって誰も迷惑しないかもしれない。
そこまで考えが及んだ時だった。
___皆様、お待たせいたしました。
運航のめどが立ちましたので___
その言葉に僕はホッとした。
体から力が抜けて今度は意識とは反対に座ってしまいそうだ。
ふと僕は明日自殺しようと決心した。
でもどうせなら迷惑のかからないように死にたい。
朝は通勤ラッシュで夕方は帰宅ラッシュだ。
なら真昼なら朝や夕方に死ぬよりは迷惑がかからないだろう。
そうだそうしよう。
最寄駅に着いた僕は少し嬉しくなってスキップしながら帰宅した。
でも、死ぬ前に僕をいじめていた奴らを懲らしめたい。
勧善懲悪だ。
いつだって悪者は懲らしめられる。
イジメは悪。僕は可哀想な善人
どうせ死ぬんだから良いだろう。
僕はまず匿名の手紙を学校に送ることにした。
略
~以上5名の生徒は___などの犯罪行為を
略
事実しか書いてないのだから僕は罪には捕らえられない。
なら警察にも匿名希望で送っておこう。
うん。
僕は堂々と次の日学校に登校した。
死ぬ日にしてはずい分気分のよい朝で、気は凄く楽になっていた。
今日ほど死ぬのに適している日は無いな。
いつもは靴箱の中などジッと見たことなかったが、今日死ぬと思うと。
死ねという言葉も可愛らしく思えてくる。
机に到着すると使用済みと思われるティッシュの山。
鼻炎がはやっているらしい。
それをごみ箱に直行させて机の中の生ごみもゴミ箱へ送り出し。
持参している雑巾を使って机を綺麗してしまおう。
立つ鳥跡を濁さず。
いくら僕の人生が汚点だらけだからと言っても僕のあと、この机を使う生徒に罪は無い。
僕はチャイムの音も聞こえない位必死に油性文字で書かれた文字を消した。
僕の手がシンナー臭くなってきたので窓をあけ。
ある程度温まっていた教室に冷たい空気が入ってきた。誰かが僕に窓を閉めろと言ってきた。
が
僕は相手にもせず除光液を使い続けた。HRのチャイムが鳴り教師が教室に入ってきた。
着席も礼もしない僕に教師は座れと促したが、僕は座らなかった。
教師は僕の名前をまた呼んだ。
「後にしてください。」
そう返事すると教師は怒りながら僕に近づいてきた。
「おまえは、ここにいる奴らを中毒にでもする気か!?」
僕は目線を窓に向けた
「換気してます。」
「今すぐ窓を閉めろ!!クラスの皆が迷惑してるだろう!!」
「僕が迷惑してる分は良いんですか?」
僕は作業を続けた。
「後、ロッカーもするんで。」
「貴様いい加減にしろよ!!貴様の所為で女子の気分悪くなって・・・」
「誰ですか。」
僕は生徒たちに目を向けた。
だけど、誰も反応を示さなかった。
「先生誰ですか。」
「保健室に行って」
「ならあとで謝りに行きます。」
やけに強気の俺にイジメが大好きな5人組が来た。
こいつらそろそろチーム名でも考えだしそうな雰囲気だ。
「なぁなぁ今日調子いいな。」
「俺達今日度胸試しやるんだけどよ、お前も参加しろよ。」
「良いよ。」
僕はあっさり答えた。
「え?めっちゃコイツやる気wwww」
「今から行こうやwww」
「うへぇwwww」
「うぇwww」
「えwwww」
HRが終了して教師が出て行ったのを見計らって学校を飛び出した。
着いた場所は環状線につながっている小さな踏切。
「昨日twitterで募集したら踏切で良い案が出たんだwwww」
「うぇww聞きたいww?」
「聞かなきゃ出来ないだろう。」
「うぇwwwそりゃそうだなwww」
こいつらマジで馬鹿だな。
「えーとな・・・__で?いや__が」
「悪いけどソレ見せて。」
電車が通過する前に線路を超えろwww
なるほど良いじゃないか。
今日僕は死ぬ予定だし電車なら一瞬で死ねる。
それに今は通勤ラッシュも過ぎた時間帯。
「じゃあ、電車が着たら線路を飛び越えるぞww」
「早すぎた奴はもう一回な。」
僕はそのルールを承諾した。
電車が来た。僕は踏切の少し前に出た。
他の5人も僕の横に並んだ。
踏切が完全に降りた。
かんかんと響く音に僕は恐怖心と好奇心と死ねるという、何とも言えない快楽に襲われていた。
僕は一番電車に近い位置に立ち電車が近付いているのを瞬きもするのを忘れて興奮していた。
周りには僕と、僕をいじめていた5人しかいない。
この電車を止めれるのは乗っている運転手と乗客のみ。
周りには住宅地も少ないし、線路は一本しかない小さな踏切。
幼稚園からずっといじめられてきた。
死ぬ勇気も周りに助けてもらう勇気もなく、ただ見えない何かに踊らされていたんだ。
そんな何かから僕は解放される。
近づいてくる電車に僕は飛び込んだ。
体中からアドレナリンが放出されるような感覚、今ならなんでも出来る気がした。
きっと今なら痛みも感じず死ねる。
だけど
いつまで経っても痛みは襲ってこなかった。
そして、死んでいないことに気がついて僕は落胆した。
それと同時にこけてすりむいた膝が痛くなって冷静になった。
そして気がついた。
あれ?僕以外のやつらは・・・?
目の前に広がる何とも言えない光景。
僕の前に停車した電車は前から3両目、1両目ではざわざわしていて僕は嫌な予感かしなかった。
電車から降りてきた車両さんは若くて、起こってしまった状況を他の人たちに伝えようと必死なっていた。
中の少ない乗客たちがざわざわと携帯で電話やメールを打っている。
僕は線路に沿って一両目まで近づいた。
扉には赤い血が飛び散り車輪には誰かの肉片がこびりついていた。
一番遠くから飛んだ奴はまだ生きているようだったが、ろくに息も出来ないらしい。
__どうして僕を連れて行ってくれなかったんだ。
僕のこと都合のいいやつと思ってたんだろ?
僕は昨日死のうと決心していたんだぞ?
「・・・君も一緒に飛び込んだの・・・?」
降りてきた車掌さんは昨日散々凝視していた女性だった。
「うん」
僕は適当に返事をした。
だけど、僕は飛び込んでない。
飛びこむ前に脚がつってしまったのだろう。
僕が滑りこけた場所は線路ではなくその横に深く作られた溝の中なのだ。
しばらくして到着した警察の人やら他の車掌さんやらで僕はその場から離され、大人たちは皆そろって同じ言葉を繰り返した。
何をしていた?
僕は大人たちの言葉をBGM代わりに環状線を飛び込んだ勇士たちに拍手を送った。
薄汚れた制服に買ったばかりのはずのズズ汚れた靴。
切り刻まれた教科書と見るたびに苦しくなる、ごみが詰められた筆箱。
僕が体操服を着ると誰かが笑う声がした。背中に書かれた文字に皆が指をさした。
高校2年生になった僕は帰宅しようと環状線の電車に脚を踏み入れた。
___申し訳ありません。
人身事故により。現在____
もう40分も止まったままの電車の中で僕はジッと一点を見つめていた。
女性が熱そうに苦しんでいる顔だ。
「すいません・・・・出ます。」
その声にハッとしてまた、その女性が電車から出て行くのを見ていた。
僕もこの電車から出て行こうかと考えていると、僕を通り越してまた一人電車を降りて行った。
そうなると自分で出ていける勇気がなかった。
僕は座り込んでしまいたいのを必死で我慢しながら、背中を壁際に持っていける様に少しずつ移動した。
密集されたこの空間の中で吐いてしまいそうだった。
僕が一人くらい座り込んだって誰も迷惑しないかもしれない。
そこまで考えが及んだ時だった。
___皆様、お待たせいたしました。
運航のめどが立ちましたので___
その言葉に僕はホッとした。
体から力が抜けて今度は意識とは反対に座ってしまいそうだ。
ふと僕は明日自殺しようと決心した。
でもどうせなら迷惑のかからないように死にたい。
朝は通勤ラッシュで夕方は帰宅ラッシュだ。
なら真昼なら朝や夕方に死ぬよりは迷惑がかからないだろう。
そうだそうしよう。
最寄駅に着いた僕は少し嬉しくなってスキップしながら帰宅した。
でも、死ぬ前に僕をいじめていた奴らを懲らしめたい。
勧善懲悪だ。
いつだって悪者は懲らしめられる。
イジメは悪。僕は可哀想な善人
どうせ死ぬんだから良いだろう。
僕はまず匿名の手紙を学校に送ることにした。
略
~以上5名の生徒は___などの犯罪行為を
略
事実しか書いてないのだから僕は罪には捕らえられない。
なら警察にも匿名希望で送っておこう。
うん。
僕は堂々と次の日学校に登校した。
死ぬ日にしてはずい分気分のよい朝で、気は凄く楽になっていた。
今日ほど死ぬのに適している日は無いな。
いつもは靴箱の中などジッと見たことなかったが、今日死ぬと思うと。
死ねという言葉も可愛らしく思えてくる。
机に到着すると使用済みと思われるティッシュの山。
鼻炎がはやっているらしい。
それをごみ箱に直行させて机の中の生ごみもゴミ箱へ送り出し。
持参している雑巾を使って机を綺麗してしまおう。
立つ鳥跡を濁さず。
いくら僕の人生が汚点だらけだからと言っても僕のあと、この机を使う生徒に罪は無い。
僕はチャイムの音も聞こえない位必死に油性文字で書かれた文字を消した。
僕の手がシンナー臭くなってきたので窓をあけ。
ある程度温まっていた教室に冷たい空気が入ってきた。誰かが僕に窓を閉めろと言ってきた。
が
僕は相手にもせず除光液を使い続けた。HRのチャイムが鳴り教師が教室に入ってきた。
着席も礼もしない僕に教師は座れと促したが、僕は座らなかった。
教師は僕の名前をまた呼んだ。
「後にしてください。」
そう返事すると教師は怒りながら僕に近づいてきた。
「おまえは、ここにいる奴らを中毒にでもする気か!?」
僕は目線を窓に向けた
「換気してます。」
「今すぐ窓を閉めろ!!クラスの皆が迷惑してるだろう!!」
「僕が迷惑してる分は良いんですか?」
僕は作業を続けた。
「後、ロッカーもするんで。」
「貴様いい加減にしろよ!!貴様の所為で女子の気分悪くなって・・・」
「誰ですか。」
僕は生徒たちに目を向けた。
だけど、誰も反応を示さなかった。
「先生誰ですか。」
「保健室に行って」
「ならあとで謝りに行きます。」
やけに強気の俺にイジメが大好きな5人組が来た。
こいつらそろそろチーム名でも考えだしそうな雰囲気だ。
「なぁなぁ今日調子いいな。」
「俺達今日度胸試しやるんだけどよ、お前も参加しろよ。」
「良いよ。」
僕はあっさり答えた。
「え?めっちゃコイツやる気wwww」
「今から行こうやwww」
「うへぇwwww」
「うぇwww」
「えwwww」
HRが終了して教師が出て行ったのを見計らって学校を飛び出した。
着いた場所は環状線につながっている小さな踏切。
「昨日twitterで募集したら踏切で良い案が出たんだwwww」
「うぇww聞きたいww?」
「聞かなきゃ出来ないだろう。」
「うぇwwwそりゃそうだなwww」
こいつらマジで馬鹿だな。
「えーとな・・・__で?いや__が」
「悪いけどソレ見せて。」
電車が通過する前に線路を超えろwww
なるほど良いじゃないか。
今日僕は死ぬ予定だし電車なら一瞬で死ねる。
それに今は通勤ラッシュも過ぎた時間帯。
「じゃあ、電車が着たら線路を飛び越えるぞww」
「早すぎた奴はもう一回な。」
僕はそのルールを承諾した。
電車が来た。僕は踏切の少し前に出た。
他の5人も僕の横に並んだ。
踏切が完全に降りた。
かんかんと響く音に僕は恐怖心と好奇心と死ねるという、何とも言えない快楽に襲われていた。
僕は一番電車に近い位置に立ち電車が近付いているのを瞬きもするのを忘れて興奮していた。
周りには僕と、僕をいじめていた5人しかいない。
この電車を止めれるのは乗っている運転手と乗客のみ。
周りには住宅地も少ないし、線路は一本しかない小さな踏切。
幼稚園からずっといじめられてきた。
死ぬ勇気も周りに助けてもらう勇気もなく、ただ見えない何かに踊らされていたんだ。
そんな何かから僕は解放される。
近づいてくる電車に僕は飛び込んだ。
体中からアドレナリンが放出されるような感覚、今ならなんでも出来る気がした。
きっと今なら痛みも感じず死ねる。
だけど
いつまで経っても痛みは襲ってこなかった。
そして、死んでいないことに気がついて僕は落胆した。
それと同時にこけてすりむいた膝が痛くなって冷静になった。
そして気がついた。
あれ?僕以外のやつらは・・・?
目の前に広がる何とも言えない光景。
僕の前に停車した電車は前から3両目、1両目ではざわざわしていて僕は嫌な予感かしなかった。
電車から降りてきた車両さんは若くて、起こってしまった状況を他の人たちに伝えようと必死なっていた。
中の少ない乗客たちがざわざわと携帯で電話やメールを打っている。
僕は線路に沿って一両目まで近づいた。
扉には赤い血が飛び散り車輪には誰かの肉片がこびりついていた。
一番遠くから飛んだ奴はまだ生きているようだったが、ろくに息も出来ないらしい。
__どうして僕を連れて行ってくれなかったんだ。
僕のこと都合のいいやつと思ってたんだろ?
僕は昨日死のうと決心していたんだぞ?
「・・・君も一緒に飛び込んだの・・・?」
降りてきた車掌さんは昨日散々凝視していた女性だった。
「うん」
僕は適当に返事をした。
だけど、僕は飛び込んでない。
飛びこむ前に脚がつってしまったのだろう。
僕が滑りこけた場所は線路ではなくその横に深く作られた溝の中なのだ。
しばらくして到着した警察の人やら他の車掌さんやらで僕はその場から離され、大人たちは皆そろって同じ言葉を繰り返した。
何をしていた?
僕は大人たちの言葉をBGM代わりに環状線を飛び込んだ勇士たちに拍手を送った。
「ウソだろ・・・!!」
駅から徒歩40分のところにある、とんでもなく高いアパートの中。
俺は言葉に出来ない何かを叫ばずにはいられなかった。
「・・・マジかよ・・・。」
トイレやお風呂が完備されていなくても、たとえ駅から死ぬほど遠くても。
雨漏りや前の住人が自殺してしまったとしても。
たとえ家賃が法外レベルの高さでも
俺はこの部屋を借りたのは理由があった。
そう実はこの部屋あるいわくつきの部屋なのだ。
「やった・・・やった__!!!!」
俺はノートパソコンに表示されている新着メールの内容は、ある株式会社の株を買いませんか?という内容。
到着時刻は 2011年8月9日4時ジャストになっている。
現在の時刻は2011年8月9日13時を少し回ったところ
「これで・・・!!借金は0に戻った・・・!!!バンザーイ!!」
そうこの部屋はなんでも消してくれるのだ、借金でも、消し去りたい過去でも。
思わず万歳三唱までやってしまう自分に隣から抗議の壁叩きが俺を冷静にさせた。
「いつまでこんな厚いもの着てるんだ、俺は」
昨日寒くて寝られなかったせいか、上はジャンパー布団は毛布に毛布を重ねてと・・・とてつもないくらい厚着をしていたのだ。
俺は着ていた長袖のシャツを脱ぎ棄ててユニク●で買ったばかりのシャツに腕を通した。
今ある金が100万。
前金65万と月額19万円の家賃を考えたら残りは少ないがあの借金を考えたら地獄から天国。
部屋にあるのはノートパソコンに布団一式と千五百万円にもなる請求書の束とその他もろもろのごみやら服やら。
ノートパソコンと請求書さえ隠しえてしまえば俺は過去に借金をしたという事実が消える。
そうだ・・・押し入れにでも隠してしまおう・・・。
俺は襖を開けた。
「・・・」
俺は絶句した。
「なんだよこれ・・・聞いてないぞ・・・。」
襖一帖の奥に隠されていたのは俺の持っている請求書の量など鼻で笑ってしまうほどの。
多額の請求書だった。
まるで山のようになっている請求書を俺はひと掴みして額を確かめた。
「五百万・・・これは二千五百万・・・!?」
青ざめた俺を嘲笑うような額の請求書達。
俺は前の住人が自殺したという、大家の言葉を思い出した。
「前の人ね、これ言うと皆入らないから言わないんだけど自殺の理由がね、どうもね・・・やーさんが絡んでるって警察の人が言ってるんだよね。」
「この部屋インターネットで言われてるんだろう?消したいことが消えるって。だから家賃も前金も高くして僕らはそのおこぼれに預かってるんだけど、皆何を消しに来てるんだろうね。」
「いや・・・この部屋は消えてほしいものが消える部屋な筈・・・。この領収書は前の人たちが隠しただけで・・・借金自体は消えているはずなんだ・・・。」
俺はふとノートパソコンを見た電源を消した記憶がないが画面が真っ暗になっており
ノートパソコン本体の右半分が消えていた。
総額千五百万円になる領収書はただの紙へと変貌している。
「消えてるんだ・・・全部・・・借金もその存在全てが・・・。」
「じゃぁ・・・この領収書は・・・?」
一枚を手にとって額を確かめるとその紙面に書かれていたのは、自分のサインと
2011年8月8日
俺がこの部屋に入った日の日付が書かれていた。
「嘘だろ・・・俺の字で・・・何でこんなもんが・・・。」
ドンドンドン!!!
その音に背筋が凍る。
ゆっくりと扉に目を向けるといかにも柄が悪い奴らの声が聞こえてきた。
「_さーーーん、オタク、夜逃げまでして何をしてんすかーーーー。」
「_さんあんた、またウチに借りに来てでしょう、利息が凄い事になってるよ。」
「あんたの個人情報握ってるんだから逃げれると思うなよ。」
「やめてくれよ・・・なんのために・・・。」
突然体の奥から快楽が襲ってきた。
電気が走ったような衝撃と言葉にならない絶句を飲み込む。
俺は失禁していた。
「ははは・・・・はは・・・・。」
逃げなくちゃ
俺も消えなくちゃ
そうじゃなきゃ
このままじゃ
生き地獄じゃないか
「消えろ・・・・俺・・・・消えてくれ・・・お願いだから!!!!俺、消えてくれ!!!!!」
俺は自身の異変に気がついて手を見た。
透けていた。
「あ・・・・・あ・・・あ・・・」
消えてしまう
「いやだ・・・消えたくない・・・!!!」
手はほとんど消えてしまって腕まで透けてくる
「脚も・・・・消えてきた・・・!!!厭だ!!!何で俺が!!!俺が・・・!!」
本当に消えてしまう・・・存在が・・・!!!!
_____「君もここに消したいものがあるなら気をつけるんだよ?過去は変えられないし、消えたいものは決して消えないんだからね。いつか自分に返ってくるよ。まぁ部屋借りてもらうんだから、こんなこという義理なんてないんだけどね。」
大家に言われた一言を不意に思いだした。
そして、その記憶さえも消えた。
「」
あの大量の領収書もそして白紙になってしまった紙も。
ノートパソコンも
そして
俺自身も
「アンタ、訳ありそうだね。この部屋借りんのかい?前に住んでた奴は変死したよ?その前のやつは自殺してるよ?良いのかい?」
「嫌なこと全部消してくれるんだろう?」
またあの部屋が借りられる。
今日もネット上で話題のあの部屋は色んなものを消してくれる。
今日入居してきた青年の荷物はたった一つ。黒のナイロン袋が何重にも巻かれている、大きなダウンボールだった。
その中身は青年と部屋しか知らない。
駅から徒歩40分のところにある、とんでもなく高いアパートの中。
俺は言葉に出来ない何かを叫ばずにはいられなかった。
「・・・マジかよ・・・。」
トイレやお風呂が完備されていなくても、たとえ駅から死ぬほど遠くても。
雨漏りや前の住人が自殺してしまったとしても。
たとえ家賃が法外レベルの高さでも
俺はこの部屋を借りたのは理由があった。
そう実はこの部屋あるいわくつきの部屋なのだ。
「やった・・・やった__!!!!」
俺はノートパソコンに表示されている新着メールの内容は、ある株式会社の株を買いませんか?という内容。
到着時刻は 2011年8月9日4時ジャストになっている。
現在の時刻は2011年8月9日13時を少し回ったところ
「これで・・・!!借金は0に戻った・・・!!!バンザーイ!!」
そうこの部屋はなんでも消してくれるのだ、借金でも、消し去りたい過去でも。
思わず万歳三唱までやってしまう自分に隣から抗議の壁叩きが俺を冷静にさせた。
「いつまでこんな厚いもの着てるんだ、俺は」
昨日寒くて寝られなかったせいか、上はジャンパー布団は毛布に毛布を重ねてと・・・とてつもないくらい厚着をしていたのだ。
俺は着ていた長袖のシャツを脱ぎ棄ててユニク●で買ったばかりのシャツに腕を通した。
今ある金が100万。
前金65万と月額19万円の家賃を考えたら残りは少ないがあの借金を考えたら地獄から天国。
部屋にあるのはノートパソコンに布団一式と千五百万円にもなる請求書の束とその他もろもろのごみやら服やら。
ノートパソコンと請求書さえ隠しえてしまえば俺は過去に借金をしたという事実が消える。
そうだ・・・押し入れにでも隠してしまおう・・・。
俺は襖を開けた。
「・・・」
俺は絶句した。
「なんだよこれ・・・聞いてないぞ・・・。」
襖一帖の奥に隠されていたのは俺の持っている請求書の量など鼻で笑ってしまうほどの。
多額の請求書だった。
まるで山のようになっている請求書を俺はひと掴みして額を確かめた。
「五百万・・・これは二千五百万・・・!?」
青ざめた俺を嘲笑うような額の請求書達。
俺は前の住人が自殺したという、大家の言葉を思い出した。
「前の人ね、これ言うと皆入らないから言わないんだけど自殺の理由がね、どうもね・・・やーさんが絡んでるって警察の人が言ってるんだよね。」
「この部屋インターネットで言われてるんだろう?消したいことが消えるって。だから家賃も前金も高くして僕らはそのおこぼれに預かってるんだけど、皆何を消しに来てるんだろうね。」
「いや・・・この部屋は消えてほしいものが消える部屋な筈・・・。この領収書は前の人たちが隠しただけで・・・借金自体は消えているはずなんだ・・・。」
俺はふとノートパソコンを見た電源を消した記憶がないが画面が真っ暗になっており
ノートパソコン本体の右半分が消えていた。
総額千五百万円になる領収書はただの紙へと変貌している。
「消えてるんだ・・・全部・・・借金もその存在全てが・・・。」
「じゃぁ・・・この領収書は・・・?」
一枚を手にとって額を確かめるとその紙面に書かれていたのは、自分のサインと
2011年8月8日
俺がこの部屋に入った日の日付が書かれていた。
「嘘だろ・・・俺の字で・・・何でこんなもんが・・・。」
ドンドンドン!!!
その音に背筋が凍る。
ゆっくりと扉に目を向けるといかにも柄が悪い奴らの声が聞こえてきた。
「_さーーーん、オタク、夜逃げまでして何をしてんすかーーーー。」
「_さんあんた、またウチに借りに来てでしょう、利息が凄い事になってるよ。」
「あんたの個人情報握ってるんだから逃げれると思うなよ。」
「やめてくれよ・・・なんのために・・・。」
突然体の奥から快楽が襲ってきた。
電気が走ったような衝撃と言葉にならない絶句を飲み込む。
俺は失禁していた。
「ははは・・・・はは・・・・。」
逃げなくちゃ
俺も消えなくちゃ
そうじゃなきゃ
このままじゃ
生き地獄じゃないか
「消えろ・・・・俺・・・・消えてくれ・・・お願いだから!!!!俺、消えてくれ!!!!!」
俺は自身の異変に気がついて手を見た。
透けていた。
「あ・・・・・あ・・・あ・・・」
消えてしまう
「いやだ・・・消えたくない・・・!!!」
手はほとんど消えてしまって腕まで透けてくる
「脚も・・・・消えてきた・・・!!!厭だ!!!何で俺が!!!俺が・・・!!」
本当に消えてしまう・・・存在が・・・!!!!
_____「君もここに消したいものがあるなら気をつけるんだよ?過去は変えられないし、消えたいものは決して消えないんだからね。いつか自分に返ってくるよ。まぁ部屋借りてもらうんだから、こんなこという義理なんてないんだけどね。」
大家に言われた一言を不意に思いだした。
そして、その記憶さえも消えた。
「」
あの大量の領収書もそして白紙になってしまった紙も。
ノートパソコンも
そして
俺自身も
「アンタ、訳ありそうだね。この部屋借りんのかい?前に住んでた奴は変死したよ?その前のやつは自殺してるよ?良いのかい?」
「嫌なこと全部消してくれるんだろう?」
またあの部屋が借りられる。
今日もネット上で話題のあの部屋は色んなものを消してくれる。
今日入居してきた青年の荷物はたった一つ。黒のナイロン袋が何重にも巻かれている、大きなダウンボールだった。
その中身は青年と部屋しか知らない。
駅か2~3分ほどのところにある喫茶店に向かって私は歩いていた。
第一志望校に合格した私は前から興味のあった「カガミ 京子」と呼ばれる占い師に見てもらうことにしたのだ。
その占い師はメディアでも取り上げられるくらいの大人気で、十中八九あたると名高い。
実は半年待ちで、志望校のことについて聞こうと思っていたのだが
占いよりも先に結果が来てしまったので私はこれからの学園生活について2,3聞こうと考えていた。
友達だとか、彼氏だとか。
自分の運命の分かれ道だとか。
聞こうと思うことは山ほどある。
「カガミ 京子」が借りている喫茶店の一角を私は遠くから見た。
出来るだけ京子よりも遠い席についてコーヒーをたんだ。
京子の一角では、一人の男性がその席について「カガミ 京子」と思われる人物と何かを話していた。
周りにいる仲間と思われる人々は真っ青な顔つきだ。
ごくん
その中の誰かが生唾でも飲み込んだのだろう。
喫茶店の中がシーンと静まった。普段なら気にしない私でも思わず気になってしまうほどの大きな音だった。
その瞬間だった。
席に着いていた男性は奇声にも近い声を張り上げこの世の言葉とは思えぬ言葉を並びたてて
喫茶店を飛び出していった。
「うわ、本当にいるんだ。」
喫茶店の席に座っていた女性の一人がもう一人の女性に向けて言葉を発していた。
「うん、やっぱり当り過ぎるって問題あるよね。」
「この間ネットで自殺した人がいるって。」
「えー・・・それって問題になったりしないのかな?」
「京子がもみつぶしてたりしてww」
2人が苦笑しながらもお茶を楽しんでいた。
冗談半分に言っているのだろう。
だが、私は横目で見ている京子がまるで獣の様な眼になっていることに恐怖を抱いていた。
「次の方いらっしゃいますか?」
少ししゃくれた女性の声が喫茶店の中で響いた。
まだ来ないコーヒーが若干気になりつつも、私は立ちあがろうとテーブルに力に入れた。
が、まるでテーブルが離れないでと腕を掴んでいるかのように私は動けなかった。
「いらっしゃいませんか?」
少しイライラした京子の声が聞こえて私は焦って答えた。
「あ、すいません。私です。」
私の顔を見た複数の人達はひそりと何かを話しているようだった。
私は一瞬理解できずに首をかしげたが、さっきの男性のこともあるのだろうと解釈した。
だが、テーブルはしっかりと私を掴んでくれて私は立ち上がれなかった。
横目で見た京子の顔が早く来いと言っていて私は焦って席を立った。
立ち上がれたことに感謝し、喫茶店の奥へ足を踏み入れた時だった。
誰かがおそらくこう叫んだ。
「右を向くな!!」
私は一瞬混乱して右の方を横目で確認しようとした時だった。
喫茶店の奥から何かが飛び出してきた、私は考える前に体を守るために腕を体の前に構えた。
何とも言えないがれきの音が響き、砂埃が舞い上がる。
店の中がさっきの生唾とは比にならない位に静まり返った。
店の外では野次馬がたかりだし、携帯のカメラの音が耳に残る。
そんな壮絶な環境の中私は先ほどまで向かおうとしていた、一点を見つめていた。
喫茶店の奥の一角。「カガミ 京子」が借り切った占いをするためのスペース。
そこにはがれきの山と化していた。
「うわ!!京子死んだんじゃねーか!?」
「いやだ!!あそこ・・・!!」
私はその指にしたがって目線を下に泳がした。
埃で白く濁った高価な指輪。視聴者に見せつける様にいつもつけていた悪趣味なブレスレット。
まがまがしい赤で彩られた指にそれにつながる手が瓦礫の隙間から覗いていた。
それはピクリとも動かない。
何分経ったのだろう。
私は気がつくと救急隊員のかけてくれた毛布の中で意識が泳いでいた。
遠くで聞こえる声になつかしみを覚えてその声に耳を立てた。
「おい、突っ込んだの、京子が占った客だったんだってよ。」
「え!?嘘でしょう?京子恨まれたってこと?」
「占い師のくせに自分のことは分かんなかったんだな。」
その数日後「カガミ 京子」は復活した。
奇跡的な生還をしたと報道される京子の顔はあの時見た京子の顔ではなかった。
そう言えばあの時から私は右を行動と関係なく向くのをやめた。
右を振り向いた瞬間あの光景を思い出すからだ。
「右を向くな!!」
あれは今思うと京子の声だった。
さらに、実はその瞬間私は右を向いたのだ。
そこには私に向かってナイフをかかげた男がいた。
その顔はまぎれもなく、あの奇声をあげて飛び出していった男だった。
思えば京子は男が敵意を私に向けるよりも早く、
そして京子のいた位置から男の顔が見える前の一言だったのだ。
テレビで報道される
京子占い失敗 という大きな文字を見て私は苦笑した。
テレビに出ている京子の右ほほに大きく残る傷は、まるでナイフにでも傷つけられたかのような傷だった。
第一志望校に合格した私は前から興味のあった「カガミ 京子」と呼ばれる占い師に見てもらうことにしたのだ。
その占い師はメディアでも取り上げられるくらいの大人気で、十中八九あたると名高い。
実は半年待ちで、志望校のことについて聞こうと思っていたのだが
占いよりも先に結果が来てしまったので私はこれからの学園生活について2,3聞こうと考えていた。
友達だとか、彼氏だとか。
自分の運命の分かれ道だとか。
聞こうと思うことは山ほどある。
「カガミ 京子」が借りている喫茶店の一角を私は遠くから見た。
出来るだけ京子よりも遠い席についてコーヒーをたんだ。
京子の一角では、一人の男性がその席について「カガミ 京子」と思われる人物と何かを話していた。
周りにいる仲間と思われる人々は真っ青な顔つきだ。
ごくん
その中の誰かが生唾でも飲み込んだのだろう。
喫茶店の中がシーンと静まった。普段なら気にしない私でも思わず気になってしまうほどの大きな音だった。
その瞬間だった。
席に着いていた男性は奇声にも近い声を張り上げこの世の言葉とは思えぬ言葉を並びたてて
喫茶店を飛び出していった。
「うわ、本当にいるんだ。」
喫茶店の席に座っていた女性の一人がもう一人の女性に向けて言葉を発していた。
「うん、やっぱり当り過ぎるって問題あるよね。」
「この間ネットで自殺した人がいるって。」
「えー・・・それって問題になったりしないのかな?」
「京子がもみつぶしてたりしてww」
2人が苦笑しながらもお茶を楽しんでいた。
冗談半分に言っているのだろう。
だが、私は横目で見ている京子がまるで獣の様な眼になっていることに恐怖を抱いていた。
「次の方いらっしゃいますか?」
少ししゃくれた女性の声が喫茶店の中で響いた。
まだ来ないコーヒーが若干気になりつつも、私は立ちあがろうとテーブルに力に入れた。
が、まるでテーブルが離れないでと腕を掴んでいるかのように私は動けなかった。
「いらっしゃいませんか?」
少しイライラした京子の声が聞こえて私は焦って答えた。
「あ、すいません。私です。」
私の顔を見た複数の人達はひそりと何かを話しているようだった。
私は一瞬理解できずに首をかしげたが、さっきの男性のこともあるのだろうと解釈した。
だが、テーブルはしっかりと私を掴んでくれて私は立ち上がれなかった。
横目で見た京子の顔が早く来いと言っていて私は焦って席を立った。
立ち上がれたことに感謝し、喫茶店の奥へ足を踏み入れた時だった。
誰かがおそらくこう叫んだ。
「右を向くな!!」
私は一瞬混乱して右の方を横目で確認しようとした時だった。
喫茶店の奥から何かが飛び出してきた、私は考える前に体を守るために腕を体の前に構えた。
何とも言えないがれきの音が響き、砂埃が舞い上がる。
店の中がさっきの生唾とは比にならない位に静まり返った。
店の外では野次馬がたかりだし、携帯のカメラの音が耳に残る。
そんな壮絶な環境の中私は先ほどまで向かおうとしていた、一点を見つめていた。
喫茶店の奥の一角。「カガミ 京子」が借り切った占いをするためのスペース。
そこにはがれきの山と化していた。
「うわ!!京子死んだんじゃねーか!?」
「いやだ!!あそこ・・・!!」
私はその指にしたがって目線を下に泳がした。
埃で白く濁った高価な指輪。視聴者に見せつける様にいつもつけていた悪趣味なブレスレット。
まがまがしい赤で彩られた指にそれにつながる手が瓦礫の隙間から覗いていた。
それはピクリとも動かない。
何分経ったのだろう。
私は気がつくと救急隊員のかけてくれた毛布の中で意識が泳いでいた。
遠くで聞こえる声になつかしみを覚えてその声に耳を立てた。
「おい、突っ込んだの、京子が占った客だったんだってよ。」
「え!?嘘でしょう?京子恨まれたってこと?」
「占い師のくせに自分のことは分かんなかったんだな。」
その数日後「カガミ 京子」は復活した。
奇跡的な生還をしたと報道される京子の顔はあの時見た京子の顔ではなかった。
そう言えばあの時から私は右を行動と関係なく向くのをやめた。
右を振り向いた瞬間あの光景を思い出すからだ。
「右を向くな!!」
あれは今思うと京子の声だった。
さらに、実はその瞬間私は右を向いたのだ。
そこには私に向かってナイフをかかげた男がいた。
その顔はまぎれもなく、あの奇声をあげて飛び出していった男だった。
思えば京子は男が敵意を私に向けるよりも早く、
そして京子のいた位置から男の顔が見える前の一言だったのだ。
テレビで報道される
京子占い失敗 という大きな文字を見て私は苦笑した。
テレビに出ている京子の右ほほに大きく残る傷は、まるでナイフにでも傷つけられたかのような傷だった。